What's in Before Christmas

one

クリスマスの朝に、驚くほど早く目覚めると、寝室の隅に熊みたいな図体のサンタがぐうぐうと眠っていた。

　しかし僕は驚かなかった。昨日の晩はたくさんの人を招いて夜通しパーテイをして、前後不覚というほどではないが、誰かの持ってきていた年代物のウィスキーをまるまる一瓶あけて、夜中の二時前に最後まで粘っていた連中を部屋から追い出した後そのままベットにダイブしていたからだ。きっと昨日の残党に違いない。誰かの友人の友人か、知り合いの知り合いだろうと、僕はきもちよさそうに眠っている熊の横を静かに通りすぎて居間のほうへ向かう道すがら、さて何か、食べるものが残ってないかなっといそいそとしていたら、近所の犬の叫び声が聞こえて来た。あの犬には何か見えるらしくアガテは気味が悪いので、越したがっている。