第152話 最後のドロップ品で戦力強化
お久しぶりです。
体調が改善しましたので、出来る限り毎日投稿します!
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本来非常に手こずる筈であったギガンテスを、最速で討伐完了した《烈風》と《灼華》の面々。
お互い技術を高め合うライバル同士だけあり、いざ共闘すると息がぴったりだった。
今回の戦闘結果はSで、宝箱は三つも出てきた。
しかし余韻に浸っている時間は無い。
「さあ時間が無いぞ! さっさと宝箱の中身を取るぞ。鑑定は移動しながらトリッシュに任せる」
ガンツはふぅと息を吐いた後、《黄金の道》のトリッシュに鑑定を頼む。
トリッシュは頷いた後鞄から素早く《鑑定の眼鏡》を取り出し、いつでも鑑定が出来るように準備をした。
ガンツが指示を出している間、リックがささっと宝箱の中身を取得していた。
無事ドロップ品も回収し終え、討伐メンバーを分断していた光のカーテンは消滅する。
「よし、ここからは急ぐぞ! 眠いかもしれないが、今回は強行軍で行く!」
ガンツが全員に指示を出し、皆の反応を待たずに先へ進む。
皆の返事を聞いている時間すら勿体ないのだ。
一行は走り始める。
兎に角効率的にダンジョンの最深部を目指す為に、ただ走った。
行く先を妨害するように魔物が出現したとしても、リュートが冷静に仕留めてくれる。
リュートは相変わらず涼しい顔で、超人的な事をやってのけてしまう。
しかも自分が射殺した死体の横を通る時、さりげなく矢を引き抜く。
走りながらとんでもない精度で、鏃が壊れない柔らかい部位を射貫いて一射で仕留めるのだ、感動すら覚える。
そしてトリッシュは器用に走りながら鑑定をし終え、口頭で結果を伝えた。
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名前:
等級:
〇詳細
これを装着した者は複数の思考を同時並行で処理し、実行出来る能力が身に付く。
指輪を外すと、能力は無くなる。
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名前:シールドの指輪
等級:
〇詳細
これを装着した者は、一度だけ魔力の有無関係なく《シールド》の魔法を放つ事が出来る。
一度使用すると、指輪は壊れる。
●補足
《シールド》は、一定時間狙った場所に透明なシールドを精製し、物理攻撃を遮断できる。
ただし、何度も攻撃を受けると壊れてしまう。
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これも後方支援で指示役のタツオミが装備する事となった。
そして最後。
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名前:スキル進化の実
等級:
〇詳細
この実を食べる事で、持っているスキル全てが進化する。
だが味はこの世の物とは思えない程不味い。
もし味によって嘔吐してしまった場合、効果は発揮されない。
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ここで
討伐メンバー全員が驚きを隠せないが、最後の詳細の一文が非常に気になる。
「……この世の物とは思えない不味さ、か」
ショウマが呟く。
死ぬ程不味くて、嘔吐してしまったら効果は発揮されない。
つまり、死に物狂いで食べないといけないのだ。
走りながらショウマがリョウコ、チエ、タツオミを見る。
視線が合うと、「どうぞどうぞ」のジェスチャーをしてくる。
カズキにも視線をやるが、営業スマイルを顔面に浮かべて「どうぞどうぞ」とされてしまう。
どうやら、覚悟を決めないといけないようだ。
「……ええい、猪狩 翔真、逝きまぁぁぁぁぁぁぁす!!」
意を決したショウマが実を口に放り投げて噛む。
すると、彼の瞳孔が小さくなり、目が飛び出さん限りに見開く。
「ぬ、ぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん!?」
次の瞬間、奇声を上げ始める。
当然ながら足は完全に止まってその場でしゃがみ込み、顔色はどんどん青褪めていく。
「しょ、ショウマ?」
リュートはショウマの事が心配になり、声を掛ける。
が、どうやら口は開けられないらしい。
彼はハンドサインで「水をくれ」と言ってきた。
どうやら水で味を薄めたいらしい。
ガンツが急いで水筒を持ってきて、ショウマに渡す。
するとショウマはまるで三日間水を飲んでいない人間かのように、ひたすらごくごくを水を飲んでいく。
あっという間に水筒を空にすると、暫く動かなくなる。
そして――
ごっくん。
静かなダンジョンの中で、彼が水なのか実なのかわからないが飲み込む音が響き渡った。
「……しぬかとおもった」
依然として顔色は悪い。
だが実は何とか飲み込めたようだ。
その証拠として、ショウマの身体がうっすらと発光していたのだ。
実の効果が出ている証である。
「時間が惜しいので、サクッと鑑定しますね」
カズキがショウマの身体を見る。
そして、口頭で進化したスキルの詳細を伝えた。
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〇スキル
《剣豪》→《剣聖》
剣の扱いに関しては人の領域を飛び越えた存在と成れる。
剣に置いて横に並ぶ存在を探すのは難しい程の域へ押し上げる。
《縮地》→《縮地 制限解除》
目にも止まらぬ速さで移動が可能。
体力が続く限り連続使用が可能。
《魔法剣》→《真・魔法剣》
剣に強力な魔法を宿す事が可能になる。
宿せるのは、以下の通り。
・《爆炎剣》→《爆裂炎剣》――切り裂いた直後に大爆発する魔法剣。火傷確率大。
・《雷鳴剣》→《雷神剣》――切り裂いた直後に何処からか激しい落雷が落ちる魔法剣。麻痺確率大。
・《氷結剣》→《氷殺剣》――切り裂いた直後に傷口から氷の柱が体内に向かって発生する魔法剣。氷結確率大。
・《石化剣》→《真・石化剣》――切り裂いた直後に傷口を石化させて身体を重くさせる魔法剣。石化確率中。
・《疾風剣》→《烈風剣》――触れただけでずたずたに出来る風の刃を纏う魔法剣。切れ味が上昇する。風の刃を飛ばす事も可能。
・《
・《深淵剣》→《深々淵剣》――闇を嫌う者、天使すらも飲み込む闇を纏った魔法剣。
・《複合剣》→《新・複合剣》――上記魔法剣を混ぜる事が可能。組み合わせは自由で、使用者に対してデメリットは解消された。
・《竜破剣》→《竜滅剣》――竜種を滅する、無属性の魔法剣。一日一回使用可能で、同様に一日一回だけ《新・複合剣》の対象となる。
・《滅殺剣》→《
如何なる存在であろうとも、必ず絶する事が出来るが、使用する剣は如何なるものも破壊され、以降 《絶剣》は一生涯使用できなくなる。また、使用者の魔力と体力を根こそぎ奪うので、使うタイミングを誤ると死に至る。
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ショウマのスキルが、やけくそ気味に進化した。
いや、むしろそこまでやらないと恐らく太刀打ちできない程の相手なのかもしれない。
そして恐らく《絶剣》こそ、超常的存在を倒せる最大の切り札となる事は、容易に想像できた。
つまりショウマ自身が、このダンジョンアタックにおいて超最重要人物となったのである。
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