第138話 ドロップ品
赤いオーガが死ぬと、突如空間にウィンドウが表示される。
そこには『評価』と書かれた文字と、大きく『S』とローマ字が記載されていた。
どうやらボス戦の評価によって、得られる報酬が変わるようだ。
実際その通りで、ラファエル達の目の前にはやけに豪華な意匠が施されている宝箱が三つも現れた。
「成程な、どうやらオレ達じゃないと開けられないらしい」
ラファエルが後ろを振り向くと、光のカーテンはまだ消えていない。
彼等が宝箱の中身を取らないと、遮りは解除されないようだ。
《黄金の道》の三人は、それぞれ一つずつ宝箱を恐る恐る開けてみる。
すると三つとも武具が入っていた。
一つはどう見ても特殊な効果を持っていそうな、刀身がうっすらと輝いているロングソード。
二つ目は片刃で反っているが、禍々しさを思わせる刀身が真っ黒な、切れ味が凄まじそうな刀。
最後は金色で何かしらの文字らしき記号が掘られている腕輪だった。
「トリッシュ、三つとも調べてくれ」
「わかりました」
ラファエルの指示に頷くと、トリッシュは自身の鞄から眼鏡を取り出して、装着する。
この眼鏡は《鑑定の眼鏡》という魔道具で、人間が研究に研究を重ねて製作を可能とした超高級魔道具で、一つ金貨一万枚もするのだ。
《鑑定の眼鏡》を装着して三つの武具を凝視する。
しばらく凝視した後、鞄から紙を取り出してさらさらと鑑定結果を書いていた。
「鑑定結果出ました」
「おう」
トリッシュから紙を受け取り、ゴーシュと一緒に鑑定結果を読む。
そして二人が互いの顔を見合ってはすぐに頷くと、ラファエルが《ジャパニーズ》の面々を見て声を張る。
「この三つの武具はてめぇら《ジャパニーズ》が持ってくれ」
「は?」
変な声を上げたのはショウマだ。
「光の遮りは無くなっただろ。とりあえずこっちに来い」
ラファエルの言葉に従って彼等の元に集合する。
そしてぶっきらぼうに鑑定結果が書かれている紙を、ショウマに押し付けた。
「……えっ、これすげぇじゃん! ってか倒したのはお前達なんだから、お前達が受け取ればいいだろ?」
ショウマも驚愕する鑑定結果は、以下の通りだった。
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名前:魔剣ザイル
等級:
〇詳細
ザイルという無名の鍛冶師が偶然産み出した、生涯最高傑作にして魔剣。
魔法剣の威力を二倍にし、魔力を持つ者が剣に魔力を流すと、切れ味が更に良くなる。
切れ味のよさに関しては、魔力量に応じて変化する。
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名前:閻魔
等級:
〇詳細
異世界の死の神が扱う刀の模造品。
模造品であれ、その切れ味は存在という概念すらも斬り捨てる程。
特殊効果は無く、切れ味に特化している。
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名前:怪力の腕輪
等級:
〇詳細
装着者の筋力を二倍にする。
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