第122話 全員の職業把握 《烈風》編
「それでは《烈風》の皆さんの確認を行いましょう」
一見この確認のし合いは無駄に思われるが、ダンジョンアタックをする際は皆の能力をしっかり把握しておく事が大事である。
時間は無いが、この確認に関しては時間を掛けて全員が把握すべきなのだ。
まずはガンツ。
---------------------------------------
名前:ガンツ
筋力:B→A
防御:A→S
技量:C
速度:D→E
体力:C→A
魔力:無し
視力:C
職業:
〇
速度が低下するので機動性は皆無だが、相手の攻撃を弾いて殴れる無敵の戦車。
〇スキル
《パリィ》
相手の攻撃を弾く技の成功率がぐんと高まる。
成功率は本人の技量次第。
《パリィカウンター》
パリィが成功した時に、そのまま相手の攻撃を流しつつ攻撃に転じる剣技。
剣・大剣装備時のみ発動可能。
《ジャストパリィ》
相手の一撃をタイミングよくパリィする事で発動する。
相手の攻撃を弾き、仰け反らせる事が可能だが、自身より体格が上の相手には無効。
---------------------------------------
「カウンター寄りの
「ああ、任せてくれ」
実際
パリィを取れれば更にカウンターを決められる為、パーティ全体の攻撃力にも貢献しているという、非常に強力で頼もしい存在になった。
次にカズネ。
---------------------------------------
名前:カズネ
筋力:E→F
防御:E→F
技量:B→S
速度:D→C
体力:C→E
魔力:A→SS
視力:E
職業:
〇
黒魔法に特化した職業。
身体能力の大部分が下降したが、魔力・技量がその分大幅に向上する。
〇スキル
《黒魔法ブースト》
黒魔法限定で威力を二倍にする事が出来る。
一日三回まで使用可能。
《黒魔法魔力消費量軽減》
黒魔法使用時の魔力消費量を抑える。
---------------------------------------
「カズネさんは純粋な黒魔法使いの道を選びましたね。しかも速度が上昇している点から見て、要所要所で素早く動けるようになったと見ていいでしょう」
「はい、リュートさんの役に立てるように頑張りますね!」
(あっ、この子もリュートさん狙いなのね)
カズキは何となく、カズネがリュート狙いである事を察した。
ともかく、カズネは長時間動く事は出来ないが、速度を活かして被弾しないように立ち回りつつ、黒魔法で巨大な一撃を叩き込める人間大砲となった。
そして最後にリック。
---------------------------------------
名前:リック
筋力:D
防御:E→F
技量:B→A
速度:C→S
体力:C→B
魔力:無し
視力:C→B
職業:
〇
筋力、防御を捨てて、目に見えぬ速さで相手の急所を切り裂く神速の暗殺者。
背後から攻撃すると、攻撃力が増す。
〇スキル
《バックスタブ》
背後から攻撃する事で、威力が超向上する。
※職業との効果重複を確認。職業の背後からの攻撃による攻撃力増加も加算される。
《急所攻撃》
人間の急所に攻撃すると、攻撃力が超向上する。
背後の攻撃の場合、背面全てが急所となる。
※職業と《バックスタブ》の効果重複を確認。職業の背後からの攻撃による攻撃力増加及び《バックスタブ》の効果も加算される。
---------------------------------------
「これはなかなか素晴らしい効果となりましたね。元から持っていたスキルが職業と呼応して、威力が更に増加する形となりました。戦闘面では大変頼りになるでしょう」
「へへん、任せてよ!」
背面からの攻撃力上昇ボーナスが半端ない事になったリックは、まさに暗殺者としてふさわしいだろう。
乱戦であっても、神速の域に達した速度を活用すれば、効率良く魔物を排除出来るだろう。
さて、彼等も無形シリーズに挑戦した。
結果は散々であった。
ガンツの場合、
---------------------------------------
〇なんちゃって
攻撃をしたいのか、
防御はBに固定。
---------------------------------------
これまた手厳しい無形シリーズからの評価である。
ガンツも大いにショックを受け、無難な職業を選んだ。
彼の瞳から一滴の雫が頬を伝ったという事実は、カズキの心の奥底に封印しておいた。
カズネの場合は、
---------------------------------------
〇色気付いた黒魔術師
初めての恋に浮かれて、自身の道を見失っている黒魔法使い。
恋に集中したいなら、戦いから退いた方がいい。
魔力はSSに固定されるが、それ以外はF。
---------------------------------------
散々である。
無形シリーズ、色恋に関して非常に手厳しすぎではないだろうか、とカズキは心の中で思った。
だがそれが良かったのか、カズネは両頬を自分で叩いて「しっかりしなきゃ」と心を入れ替えた様子。
だが心折られるのではなく、前向きに結果を受け止めたカズネは、見た目によらず芯がしっかりとした魅力的な女の子のようだ。
リックの場合、
---------------------------------------
〇なんちゃって斥候
小柄な為、攻撃力も出せないし攻撃のリーチも短い。
斥候としての能力も中途半端。
兎に角小柄、全てにおいて小柄。
---------------------------------------
「ねぇ、僕職業に喧嘩売られている気がするんだけど、気のせいかなぁ?」
「……私の胸倉掴まないで下さいよ。これに関しては私の意思は一切入ってません」
「……本当だよねぇ?」
本当である。
無形シリーズの結果が出た時、リックの目からは光が失われ、今にもカズキを刺し殺そうとしていた。
本人が気にしている部分を容赦なく抉ってくる無形シリーズ、使用者のカズキにとってもなかなかに諸刃の剣なようだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます