210 芹香のスキル事情

Status──────────────────

朱野城芹香

探索者ギルド「パラディンナイツ」ギルドマスター

国内レベルランキング(日本)2位

レベル15494

HP 823,494/823,494

MP 529,698/529,698

攻撃力 1,609,521

防御力 1,347,922

魔 力 732,422

精神力 493,906

敏 捷 946,134

幸 運 357,702


・固有スキル

聖騎士の誓い2


・取得スキル

【武術】聖剣術5 上級剣術5 剣技5 剣術5 守護剣術4 体術5 捕縛術5

【魔法】上級雷魔法3 雷魔法5 風魔法5 治癒魔法5 支援魔法4

【特殊能力】雷光一閃3 魔法斬り

【戦闘補助】守護の盾5 妖精の盾5 堅守の心得5 必殺の間合い3 剣風5 無刀の心得3 威風 スタン攻撃5 MP回復速度アップ4 高速詠唱4

【能力値強化】HP強化3 MP強化3 防御力強化3 精神力強化3

【探索補助】鑑定 簡易鑑定 索敵4 アイテムボックス5


・装備

聖剣ライトニングピアサー

聖銀のブレストプレート

白銀のガントレット

白銀のグリーブ

マジカルスカート

呪詛返しの指輪

祝福のイヤリング


SP 9135

────────────────────



 これが今の私のステータス。

 とくに鍵になってるのが、固有スキルであるこれ――

 


Skill──────────────────

聖騎士の誓い2


S.Lv1 他者の命を救うたびにレベルまたはいずれかのスキルのスキルレベルが1上昇する。ただし、このスキル自体がスキルレベルアップの対象に選ばれることはない。


S.Lv2 他者の命を100回救うごとに一部の取得難易度の高いスキルが取得可能状態になる。


能力値補正:

「聖騎士の誓い」の所有者は、各能力値に以下の補正を常に受ける。

HP +90%

攻撃力 +20%

防御力 +50%

精神力 +40%

────────────────────



 ……だね。


 私の固有スキル「聖騎士の誓い」は、典型的なレベルアッパーだと思う。

 経験値を貯めなくても特定の条件を満たすことでレベルが上がるというかなり強力な成長系のスキルだ。


 レベルが上がるのはもちろん、スキルレベルが上がるのも大きな特徴だね。

 スキルレベルは1上がるごとに次のレベルアップに必要なSPが四倍増しになっていく。

 従って、スキルレベルの高いスキルほど「聖騎士の誓い」の恩恵が大きいことになる。


 スキルを取得すると取得に要したSPと同じだけ能力値にボーナスがつくのも忘れてはいけないポイントだ。

 「聖騎士の誓い」でスキルを取った場合にも能力値ボーナスはちゃんとつくから、SPを節約しながら能力値をかさ上げすることまでできてしまう。


 さらには、「聖騎士の誓い」スキルレベル2の効果である「一部の取得難易度の高いスキルが取得可能状態になる」も重要だ。


 この効果で手に入れたスキルはいくつかあって、


Skill──────────────────

聖剣術5

あらゆる防御を斬り裂く聖なる剣。擬似魔法様特殊剣術の体系。ほとんどの術技に聖属性が付与される。

対象の防御力を無視できる「防御貫通」効果が剣を使ったあらゆる攻撃に付与される。

レッドネームに対する攻撃力がS.Lv×20%上昇する。

────────────────────


 これなんかがいちばん使用頻度が高いかな。

 今回は使う機会がなかったけどね。


 防御面では、


Skill──────────────────

守護の盾5

守るべき他者がいる時に防御力がS.Lv×10%上昇するとともに、あらゆる状態異常に対する耐性がS.Lv×15%上昇する。

────────────────────

Skill──────────────────

妖精の盾4

魔法の被ダメージをS.Lv×5%減らすと同時に、追加で発動する状態異常効果をS.Lv×10%の確率で無効化する。

────────────────────


 この二つが結構重宝してる。

 さすがに悠人の持ってる万能状態異常耐性アクセサリ(「祈りのイヤリング」)と比べたら霞んじゃうけど、ダンジョンに合わせて装備で補えばいいだけだからね。


 これまでは、監察員としての活動や、警察への協力なんかの機会に、人助けの一貫のような形で地道にレベルを上げてきた。


 悠人は、「よく自分の命をかけて人を助けようと思えるな」なんて言ってくれるけど、私はそこまでお人好し一辺倒なわけじゃない。

 ちゃんと実利が伴うからこそそういう仕事を引き受けられるって面もあるんだよね。


 他の探索者が協会の監察員だの警察への協力だのに時間を割きたがらないのは、その分、本来の仕事であるダンジョン探索ができなくなるからだ。

 収入面でのマイナスもさることながら、レベルアップが遠くなるという意味でも少なからぬデメリットが生じてしまう。


 その点、「聖騎士の誓い」のある私は、下手にダンジョンを探索するより、人助けに励んだ方が効率よくレベルを上げられる。


 ……まあ、もし「聖騎士の誓い」がなかったとしても、助けられる人を見捨てることはなかったと思うし、監察員をやってほしいと言われれば、やっぱり引き受けたとは思うんだけどね。


 大体、「自分の命をかけて人を助けようと思う」ってことでは、悠人の方がよっぽどじゃないかな。


 悠人は、人が溺れてるのを見たら後先考えず自分も水に飛び込んで助けようとしてしまうタイプ。

 私は、自分の安全を確保した上で、岸から浮き輪を投げるタイプだ。


 悠人が後先を考えなさすぎなのか、私が悠人より冷めてるのかはものの見方によると思うけど。


 悠人とさえ比較しなければ、私は探索者の中で所持してるスキルの数がかなり多い部類に入る。

 スキルの数も多いし、それぞれのスキルレベルもかなり高い。


 「聖騎士の誓い」のおかげでスキルレベルが上げやすい上に、浮いた分のSPで他のスキルを取ることもできる。

 「聖騎士の誓い」が発動した時に所持してるスキルのレベルが全部カンスト――5になってたら、せっかくの効果が空振りするかもしれない。

 かといって、取得SPの低いありふれたスキルのスキルレベルが上がってしまい、コストの高い強力なスキルのスキルレベルを上げ損なう、というのも嫌なんだよね。

 その辺はさじ加減が難しいけど、「聖騎士の誓い」スキルレベル2で解放された取得の難しいスキルを取っておけば大体間違いなさそう、というのが経験則かな。

 この辺のスキルは悠人ですらまだ手に入れてないものが結構あるので、今後も優先的に取っておきたい。


 それと、あまり取る人のいない能力値強化系スキルを取ってるのは、悠人から特殊条件を教えてもらったからだ。

 能力値強化系スキルを二つカンストさせると、組み合わせに応じた強力なスキルがもらえるってやつだね。

 私が狙ってるのは、「絶対防御」(「HP強化」と「防御力強化」の組み合わせ)、「ソリッドバリア」(MPと防御力)、「幽体生存」(HPと精神力)の三つ。

 スキルレベル3まではSP消費も少ないから普通に上げて、4以降は「聖騎士の誓い」に期待する方針だ。


 それにしても、不人気な能力値強化系スキルの組み合わせボーナスを総当りで確かめるなんてことができるのは、世界広しといえど、さすがに悠人だけだろうね。

 普通は一つのスキルを5まで上げるのだってかなり大変なんだから……。

 この組み合わせには「ハズレ」もあるというから、悠人の調査のおかげで私はだいぶ楽をさせてもらってる。


 なお、ステータス表示におけるステータスの並び順やソートのしかたは、悠人がやってるのをパクっ――もとい、参考にして、最近整理し直した。

 さすが鬼ほどスキルを持ってるだけあって、悠人の整理法は的確だからね。


 気絶した雑喉に探索者用の手錠をはめながらそんなことを考えてると、「索敵」に青い光点が引っかかる。


 ものすごい速さで近づいてきたそれが室内に飛び込んでくる。


「芹香っ! 無事か!?」


 飛び込んできたのはもちろん悠人なんだけど……速すぎない?

 あいかわらず、悠人には常識が通じない。


 まあ、それだけ急いで来てくれたのかと思うと、やっぱりちょっとうれしいんだけど。




―――――

いつもお読みいただきありがとうございます。

『ハズレスキル「逃げる」で俺は極限低レベルのまま最強を目指す』書籍版2巻の発売まで残り一週間となりました。

9/2の発売日までの一週間、Web版連載の方も今日から【毎日更新】する予定です。

ちょうど第五章のクライマックスでもあり、第五章のラストまで行きます!

連載の方も書籍の方も、どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m

いいねやコメント、レビュー等、いつも大変励みになっております。


ハズレスキル「逃げる」で俺は極限低レベルのまま最強を目指す 2 Kラノベブックス

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