生セッ〇スを知らない未来人が因習村でガチ性交した話
あれは何だったのだろうかと、都市に帰る車の中で思う。
札幌、東京、名古屋、大阪、福岡。5大都市以外は未だに人から出産することが珍しくないと聞くけれど。アレは妊娠のための行為とすら思えなかった。
あんな風に生身で交わることで人も生命も生まれてくるのだと知ってはいるけど。
それはそれとして、これまで口にした肉のほぼ全て。そして自分自身すら生の子宮ではなく樹脂の培養槽から出てきている時代の人間としては余りにも生過ぎる。
そもそも、体験してみたけれど。快感よりも不快感の方がずっと大きい。
いや、快楽というか。生命的な欲求はあったけれども。
人間の5感が電気的に解明されてから既に半世紀が過ぎている訳で――
電子セックスの方が手軽で気持ちいい。
何より、生の性交では生まれた性しか楽しめないのだから不便すぎる。
あの村の人達は、電子セックスには温かみが無いと言っていた。一度デジタルにされた感覚は本物ではないと。
けれど、私はデジタルデータに沿って走る自動車で現実を移動している。
それと電子セックスはなんら変わりはないと思うのだ。
何より自動で手軽なのが良い。かつては自動車を人が運転していた時代もあったなんて知識はただ恐ろしいだけだ。
いつかは恋愛も今の自動車みたいに勝手に動くようになるかもしれない。けれどどこに行くのかを決めるのはデジタルな数字ではなく私の感情なのだから。
そんな事を考えつつ、私はネットワークに接続し。電子セックスのパートナーに求める条件を、マッチングアプリに打ち込んでいく。
カーナビで目標地点を入力するのと同じように。
#エロ同人みたいな怖い話 ハムカツ @akaibuta
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