第2話
トンっ肩を押され、水の中へと落ちる…
「え?」俺は驚いた、いつもの夢なら水中から始まるはずなのだが、誰かはわからなかったが、確かに突き落とされた。
しかし、そのあとは変わっておらず、またチョウチンアンコウみたいなのに食べられ、目覚めるのだった。
その後、急いで準備し、学校へと向かった。
「誰に突き落とされたんだ…てかなんで突き落とされんだ俺」
顔は、一瞬だったので確認することはできなかったし、夢の中とはいえ、誰かに突き落とされるなんていい気はしないしな。
「どうすっかなー」
今日見た夢を思い出しながら、色々考えたが、「はぁ〜、眠っ」結局俺は考えることよりも睡魔が勝ってしまい、眠ってしまった。
そしてまたいつものように学校生活が終わるそう思っていた………
しかし、それは昼休みに変わってしまった。
「ねぇ、昨日のことで話があるんだけど」
昨日、教室で俺が悪い夢を見ないように、手伝ってくれるといった彼女だった。
「ちょ、ちょっとこっちに来い!」
俺は彼女の手を引っ張り、教室を出る。
そして別の棟にある、人気のなさそうな家庭科の札が吊るされた教室に入った。
「ちょっと痛いんだけど」
「わりッ」俺は彼女の手を放す。
「こんな誰もいない教室に連れ込んで…何、変なことでもするつもり?」
少し、威圧のある低い声で言ってくる。
「そ、そんなつもりはない、しかし教室だと目立つからーー」
「ふふっはははは、そんなビビることないじゃない」
お腹を抱えて笑う彼女。
「そんなに、笑うことないだろ」
「ごめん、ごめんけど、昨日こっちの連絡を無視したのは、そっちでしょ」
「え?」と驚き、携帯を確認する。
すると、そこには彼女から「明日どうしますか?連絡ください」とのメールが送られていた。
「すいません、俺の方が100で悪かったです。」
「分かればよろしい、でどうするの?」
「放課後、ここの教室でどうだ?ここは使われていない教室だし、放課後の方が時間もあるし詳しい話ができる。いや、用事とかがあればそっちを優先してもらっていいからな」
「別に用事なんてないよ、わかった放課後ね。はぁ〜この話も朝できたのに、君学校来るの遅すぎ」
「色々、すまないな」
「いいよ別に手伝うって言い出したの私だし、じゃあ放課後ね」
彼女は教室へと帰っていった。
「購買でパンでも買って食べよ…」
ここで教室に帰るとクラスメイトから注目を浴びてしまう。
弁当を持って来ていたが、注目を浴びるのは嫌だったので購買で済ますことにした。
昼休みが終わり、教室に戻ると何人かがこちらを見ながらコソコソ話していたが、俺は気にしないようにしながら席についた。
そのあとは、誰かに喋りかけられることなく、放課後を迎えた。
「行くか」俺はカバンを取り俺はさっきの教室へと向かった。
30分ぐらいして彼女が教室へと入ってくる。
「ごめん、遅くなったね」
「いや、気にしなくていい、俺と違って人付き合いで忙し、そうだからな」
「言い方にトゲがあるなー、まぁいいや」
彼女は椅子を持ってきて俺の前に置き座る。
「じゃあ、話してもらえますか?」
俺はもう一度、夢の話をし、そして昨日の夢はいつもより少し変わっていたことも話した。
「まず一つ言いたいのは悪夢はストレスが溜まっている時に見やすいものなの、最近ストレスが溜まるようなことはなかった?」
「ストレスが溜まるようなことか…」
考えてみたが、思い当たるような節はなかった。
「あとは身体的な問題ね、健康状態が悪かったりしても悪夢を見やすいの、どう?」
考えたが、やはり思い当たるものはなかった。
「じゃあ、先にもう一つの方ね、“昨日の夢“についてね、そんな夢が変化するような、何か変わったことはあった?」
「変わったことか…特には……あっ!」
「え、なに?」と彼女も聞いてくる。
あった、昨日いつもの俺と違うこと、それは
「学校で誰かと話した、細かくいえば君と話した、これがいつもと違ったことだ」
「私と話したことで夢が変化したってことはやっぱり心の問題なのかな」
その後も、色々話したが、有力な手がかりは見つからず、その日は終わりにした。
その日の夜、彼女から連絡で「夢を見る前にその悪い夢のことを考えないこと、そして夢の出てきた人の顔を出来るだけ覚えておいて、何かしらの手がかりになるかもしれないから」
「わかった」と俺も返信する。
しかし、彼女も俺にここまでしてくれるなんて優しい人なんだな、もしこの夢から解放されたら、何か、お礼をしなくちゃな。
そして俺は眠るのだった。
恋は夢すら変えさせる ゼロC @zeroc
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