第4話 魂は何処へ

「弟…?」

「そう、名前は李斗って言うんだけど元気一杯の男の子だった…」

まさか鳴に弟がいたなんて…どこか私達と似ている…

「私の一族は元々短命なの。これは仕方の無いがことなのよ。」

「えっ…数年前に弟が亡くなってるってことは、じゃあ鳴も…」

「そう…私もその運命を背負っているから、良くてあと一年、早くて数ヶ月ってところかな。」

「でもそんなのって悲しすぎるよ…」

命が短いだなんて…そんなのあまりにも…

「美子は?今度はあなたのことを教えて?」

「えっ、あぁ…私には鳴と同じようにお兄ちゃんがいたんだけど…」

「お兄さんがいたの?」

「うん…だけど三年前に先の戦いで亡くなっちゃったんだ。私達を助ける為に…」

そう、あの日を忘れてはいけない。お兄ちゃんが私達妹を…命を懸けて助けてくれたのだから…

「そう…それはご愁傷様で…」

お互いのことを話した時に鳴がこんなことを言った。

「ねぇ、私達って何だか似た者同士じゃない?」

「そうだね…確かに似てるかも。」

今までこんな言葉を聞いたことが無く、人から始めて言われたからちょっとドキッとした…

「ふぁ~あ…」

「あら、眠そうじゃない。」

「今日は仕事を昼にやったからなぁ…ちょっと疲れが…」

「じゃ、またコハクに送ってってもらう?」

「悪いけど…そうさせてもらうね。」

「バウッバウッ!」

「ごめんね…コハク。私のわがままに付き合わせたりしちゃって。」

眠たい目を擦りながらコハクの背中に乗り、街まで送ってもらった。


ー翌日の昼休みー


「…?真さん、このお面って…」

真さんは玄関の部分に腰掛けてお面の手入れをしていた。

「あぁ、これは亡くなった父が気に入っていたお面なんです。」

にしてもこのお面どこかで見たことあるような…

「父は色々と派手な物を好んでいまして、家ではこのお面を定期的に手入れしてるんですよ。」

「へぇ~お父さんが気に入ってたお面なんですね。」

もしかすると…前に出会った男の人が着けてたのって…まさか…


ーその夜ー


「最近体が鈍ってるんじゃない?美子。」

「炎華!久しぶり!」

そういえば…ここ最近仕事のせいか、炎華と全然会ってなかったな。わざわざ向こうから来てくれたんだ…

「これから森へ修行に行くんだけど、美子達もどう?」

「行く!やっぱり体動かさなきゃね!」


ー森林ー


「それじゃあ、久々に全力で行くからね!」

「えぇ、望むところよ!」

フッ…

「久しぶりね、あなたとこうして修行するの。」

「私も少し進歩してるからね!」

続く。



告予回次

「灼炎矢!!」

「やっぱり炎華は矢の扱いが凄いわね。」


「よっ、また会ったな」

「あっ…あの時の!」


「コハクが何か伝えようとしている…?」

次回「血が受け継ぐもの」



「あなたは…真さんのお父さんなんですか?」



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