エブリスタでこの傾向を感じたら



 妄想コンテストについて、あれこれ書きました。

 妄コンは短編アンソロジーとはいえ、自作を書籍化してもらえるチャンス。

 しかも入賞すれば賞金が入るし、書籍化されれば原稿料も貰えます。そこそこ、いい値段。


 とは言え、妄想コンテストで入賞するのは、前述のように難しいです。

 僕も優秀作品までは何度もとりましたが、一年続けても、さっぱりそれ以上にはなれなくて、もうずっとこのままなんだろうなと諦めたころに、ようやく佳作になりました。


 その間、一つのテーマに必ず二話以上を毎回出し続けてました。

 というのも、当時は入賞できるジャンルがとても限られてたので、一話は選ばれやすいヒューマンドラマ、もう一話は補欠のミステリーやホラー、SFなどのちょっとアクの強いやつ。ほとんどのときはヒューマンドラマ優勢だけど、ごくまれになぜかそれ以外のジャンルが急に選ばれる回があったので、たぶん選考さんの好みだろうなと。

 まあ、それ対策として異なるタイプの話をたいてい二話出してたわけです。

 その甲斐あって、かなりの頻度でどちらか一話は優秀作品になることが多かった。


 でも、エブリスタで投稿し始めた第一作めで大賞とる人もいるので、僕はずいぶん遅いほうだと思う。

 初めて佳作をとったあとは、わりとパパパッと連続して、大賞、準大賞ととれたんですが。

 編集者さんに気に入ってもらうまでに、だいぶ時間がかかったってことですねぇ。


 さて、本題です。

 やっぱり、そのサイトで編集さんに気に入られてるとわかれば、誰だってめっちゃ、がんばりますよね? モチベもあがりまくり。


 でも、じゃあ、どんな状態だと気に入られてるとわかるのか?


 ここまでのこのエッセイを見ればわかると思いますが、僕は分析するのが好きです。というか、なんか気づいてしまう? ミステリー書いてるからですかねぇ。ふだんから観察的に周囲を見てるのかな。


 で、気づいたんですが、エブリスタでは、ある傾向があります。


 たとえば、特集。

 カクヨムでも特集ありますが、数が必ず四つだし、登録者数にくらべたら、日の目を浴びるのは、ごくごく一部だけ。


 その点、エブリの特集はかなり数が多いので、読者を得る最初の一歩がとてもつかみやすい。


 そして、その特集作品って、編集者さんが定期的に新人発掘のために、読み歩いているようです。

 以前は『エブリスタ編集ガール』だったかな? なんかそんなアカウント名で、僕のとこにも読みにこられたことがありました。当時はただ閲覧しただけの人も足跡が残って、作者からは確認することができたので。


 残念ながら、そのときは僕の作品がお気に召さなかったらしく、その後、フツリとなんの反応もなかった。当然、特集にも選ばれなかった。妄コンでの反応の悪さはそのせいだったと思われます。見かぎられた(>_<) チャンス逃しちゃったよ。


 早い人は初投稿後、半月以内で特集に選ばれることも。これは、かなり目をかけられたってこと。


 ここです。まず一つめのポイント。

 始めたばっかりで特集に選出される——これはエブリであがっていく最短距離。気に入られたと思ったら、ガンガン新作を書き、なおかつ、妄コンにもチャレンジするべき。そういう人は妄コンでもピックアップルーキーとか、優秀作品に選ばれやすい。トントン拍子でかけあがります。


 次のポイント。

 エブリはわりとよく書籍化やマンガ原作の長編イベントがあります。ただし、いきなりこれにチャレンジしても、あんまり通ることはない。

 まずは妄想コンテストで実績をつちかってください。


 エブリの法則その二。

 特集、妄コン、書籍化イベントでは


 これ、意味わかりにくいかもですね。つまり、エブリの特集って、まったくの新人や妄想コンテストに応募しない人が、人目にふれるための機会なんですね。妄想コンテストで常連になって、毎回のように優秀作品以上に選ばれる人は、ほとんど特集に選ばれることはないです。妄コンで充分、読まれる機会があたえられるからです。


 もちろん、なかにはそんな法則をぶっちぎって、妄コンは出せば入賞、特集にも二週連続で載る、書籍化長編イベもいつも最終候補。そんな人がいます。


 もう、こういう人は迷わず、エブリスタから逃げちゃいけませんね。編集さんが目をかけて、育てたい、いつか必ず書籍化させたいと思ってる人ですから。


 僕が知ってるなかで、この人は天才だなと思った唯一の人が、まさにこういうあつかいを受けてました。羨ましいほど、トントンかけあがっていった。ただ、ご本人がむらっけがあって、コンスタントに書くことができないという人だったので、その後どうなったのか、よくわかりませんが。


 とにかくですね。ふつうの人は、妄コンで優秀作品などになったら、しばらくのあいだ特集に選ばれることはない。逆に妄コンでいい成績が残しにくいブースト切れ期間に突入すると、またチョロチョロと特集にとりあげられたり。


 つまり、エブリの法則その三。

 人目にふれさせるための何かは、まんべんなく多くの人に機会をあたえるために、一人に集中しないように調整されている、です。


 なので、特集には何度も選ばれるのに、妄コンにはちっとも残らないなとか、その逆とかでも諦めないこと。どちらかに入るってことは、その段階ですでに大なり小なり、編集さんの期待をかけられてるってことです。


 さっきとは別の人で、こんな知りあいがいました。エブリスタに投稿した最初の作品が特集に選ばれ、次作も選ばれ、その次くらいで妄コンに出して、すぐに優秀作品。

 僕から見たら、めちゃくちゃ恵まれてたんですが、なぜか、このかた、最初からアカウントを変えたいとやたら言っておられたんですよね。なんか最初にアカ作るとき失敗したらしくって?


 僕は絶対やめたほうがいいです。あなたは編集さんに気に入られてるから、このまま続けたほうがいい結果を残せますよと忠告したんですが、けっきょく退会し、アカウント作りなおしちゃったんですね。しかも、もう妄コンはいいから、次からは長編の書籍化イベにチャレンジしたいと……。


 そのあとはガタガタでした。長編イベでも当然、結果が出なかった。途中で交流やめたので、もしかしたら僕が知らないだけで、また盛りかえしたのかもしれないですが。もうお名前も忘れちゃったのでたしかめようがない。


 アカウントになんかポイント制みたいなのでもあるんですかね? 一回特集に選ばれると三点、妄コン大賞なら十点、準大賞なら七点、入賞五点、とか? 優秀作品二点? そういう累計でどのていどの作者か識別されてるのかな?


 そのせいなのか、同じ人が別の名前でアカウント作りなおしても、以前と同じほど優遇されることはなくなる。たぶん同一人物だとみなされていない。まあ、登録者全体だと膨大な数だから、しかたないでしょうけど。


 妄コンじたいは以前も言ったように、二年でブーストが切れます。そこから、書籍化イベで最終候補に選ばれやすくなる。それも、本気で候補にしたいというより、「あんたには期待してる。だから、ガンバレ」って、作者のモチベあげのために。


 たぶん、この期間に努力して、を送りこまないと、書籍化は難しい。そういうことなんじゃないかなと。

 最終候補になると選評をもらえるので、それを参考に、よりエブリ好みの作品を仕上げてくれって意味なんじゃないかと、勝手に邪推してます。


 もちろん、そんなのすっとばして、とうとつになんのイベントにも出してない作品に書籍化の打診が来たりするんですが……。


 でも、なんていうか、そういう階段が用意されてる気はします。


 なので、特集に選ばれたことのある人は、とにかく諦めずに続ける。

 いつまでたっても特集に選ばれない人は、おそらく編集さんの目に止まってないので、待っててもダメ。妄コンにチャレンジして目をひく努力をする。妄コンで結果を出せば、軌道に乗れるかもしれません。


 できれば一回、優秀作品になったら、次は似た傾向の作品で仕上げる。そのほうが編集さんの目にとまりやすい気がします。少なくとも、僕はそうだった。


 カクヨムの傾向はまったく別なので、とにかくたくさん読まれて星を集めれば、書籍化の打診も来る。ただし、ラノベ限定。

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