そもそも小説をどう書いてる?
先日、とあるかたが近況ノートで、わたしの小説の書きかたっていうのを紹介されてまして、それがかなり何段階もふんだ時間と手間のかかるやりかただったんですね。ビックリ……。
まず思いついたネタをセリフだけでメモし、それらをつなぎあわせて一つの作品のプロットとして組み、ストーリーに破綻がなくなるまで練って全体ができあがると、さらにセリフだけで書き、そのあと地の文を入れこむんだそう。
えっ? マジっすか?
そんな書きかたをする人もいるのか……。
僕なんか、一冊10万字ぶんの話を書くのに、その回の大まかなテーマが決まったら、ぶっつけでもう冒頭から書きますが……。
書きかたはスマホでカクヨムの投稿画面にちょくせつポチポチ。休みの日は最低一日5000字をノルマと決めて、ひたすら書きます。もちろん、セリフだけとかじゃなく、まんま小説の形で。
で、仕事の日にいろいろスキマ時間があるので、それを読みなおして推敲します。ここでは推敲といっても、ほんとに誤字脱字の手直しと、言葉の重複を置きかえたり省略したり、より読みやすい文章の体裁を整えるだけ。ストーリーは変えません。
そして、それでもあまった時間は次の展開について休日まで妄想しておく。
今の八重咲探偵はほんとに、細かい展開は書きながらしぼりだしてる感じ。
メインストーリーはできあがってるんですが、シーンごとの詳細な展開はその場しのぎと言っていい。
ネタが湧いてくるまで待つとか悠長なことは言ってられません。社会人にとって休日は貴重なので。仕事終わりに書ける人はいいですが、僕は疲れてると書けない。
こういう書きかたなので、キャラ造形が大事なのかもしれません。キャラとの対話と言うか。憑依されて書き始めれば、勝手に突っ走ってくれるキャラじゃないとストーリーが動かない。
今、最終巻の六万字まで書いてます(今の時点では完結まで書きました)が、この巻の事前に思いついていたシーンはラストの一場面だけ。
ただ、その後、書き進めるにあたって、あらすじはできあがったので、現在、思いついてるシーンは最初の一つを足して三つくらい。残り四万字のなかの三つなので、もうだいたいこれでラストまでつながる。もちろん、細かい描写はその都度、書きながら決める感じ。
文章を書く作業とプロットを練る作業が密接につながってます。
めっちゃアバウトなんですよ。
僕の場合は書いてる年数と書いてる本数が違いますので。最近、自分を職人技だなぁと思うんですよね。職人さんが長年、同じ工程をくりかえして培ってきた勘と技能。あれに近い感じで小説を書くっていう作業に特化してるんだと。
新作を書くっていうことだけでも、どんなに少なく見積もっても3000万字は書いてるので。書いたうちの半分はすてたので、もしかしたらそれらも足したら5000万字とかは書いてる。しかも、それをネットにあげるために、また一からポチポチ打ってるので、そのときに大幅改稿とかもしてるわけです。
これくらい書けば、職人になれます。
でも、そう言えば、中高生のころは創作ノートみたいなのを書いてましたね。
小説本編ではなく、その日に思いついたネタなどを、とにかく書きとめておくノート。
それは読み切り長編のあらすじを最初から最後まで書くこともあれば、既存シリーズのキャラたちの会話だけだったり、ワンシーンだけを小説のていで書いたり。なんなら小っ恥ずかしい詩とかも書いてあったり。
形式にとらわれず、そのときに思いついたものを一番、素早く書き残せる形で書いてた。シナリオ形式で数日にわたって書くこともあった。
今はそういう時間もないのでしてないですが、ああやって、ふわっとした思いつきを書きためていたおかげで、場面と場面をつなげて一つの話にしたこともあったし、数年後にそのなかのあらすじを使って小説を書いたりとか、いろいろ便利ではあった。
ネタ帳を持ち歩く作家はプロにもわりといるようで、何人かそういうエピソードをエッセイやあとがきのなかで読んだことがある。
ネタって思いついた瞬間に書いとかないと忘れますからね。とくに寝起きのひらめきとか、おもしろい夢だったなとかは。
セリフのぬき書きだけさきに書いて、あとから地の文を入れるっていうのは、かなり特殊な書きかたかなと思うんだけど、たぶん、僕が創作ノートに会話だけザッと書きとめてたのと近いのかなと。
そう思うと、あのころの書きかたと今の書きかたは、僕もずいぶん変わったなと思います。
書き手さんによって、自分の書きやすいやりかたってあると思うんですよね。
そう言えば、以前、まずシナリオ形式で書いてから、小説のていに書きなおすって近況に書いてる人もいたなぁ。
僕みたいに、なんにもない真っ白な状態で、キャラクターに頼ってスマホの上にしぼりだす、なんてのも、ほかの人からみたら「ちゃんとプロット組めよ〜」かもしれないですし。
スランプにおちいったとき、ふだん、どうやって書いてたかわからなくなったと書かれてる人いますよね。
自分なりの書きやすい方法を、ふだんから把握しておくことって、意外と重要なのかもしれません。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます