失恋離脱防止法
前回の失恋話、意外と好評でした。書き手あるあるだったんですね。
昨日、公開してから気づいたんですが、読者の離脱防止のために、タグにハッピーエンドと書いとくのはいいかもしれません。あらすじやキャッチに「ラストはハッピーエンドになるよ」的なことを入れとくとか。
または、コレクションを利用するのもいいかも。
カクヨムもめでたくシリーズ化ができるようになったので、「悲しい物語」「最後は必ずハッピーになる」「つねにほのぼの」とかでわけておくと、アンハッピーエンドが嫌いな読者は好みのコレクションだけ読むことができる。
僕の場合は長編シリーズがたくさんあるので、それでわけてるんですが、短編メインの人には、とくにお勧めの仕分け法かなと。
あとですね、コレクションって、じつはプロフ画面に固定できるのは四つまでだけど、それ以上の数を作ることも可能なんですよ。僕は今、六つあります。
そして、一つの作品を一つのコレクションにしか入れられないと思ってませんか?
じつは重複して複数のコレクションに入れることが可能です。僕は一作だけ、二つのコレクションに重複させてますね。
僕は基本、ホラー作品以外はハッキリとアンハッピーエンドの作品はないので、そういうわけかたは必要ないと思ってましたが、何かしらの方法でわかるほうが読者は喜ぶのかもしれません。
ここまではタグなどで、それとなく読者に知らせる方法でした。
ネタバレにつながることだけがちょっと残念なんですけどねぇ。そこらへんは作者さんそれぞれがの判断で決めればいいので。
ところで、重い展開で離脱されてしまうことを防ぐ方法って、ほかにはないんですかね?
あとはもう作品じたいで、なんとかするしかないかなと。
だからって、それは書きたい内容を不本意に変更することじゃないか?
人が読もうと読むまいと関係ない。好きなものを書きたいから好き放題してるのに、それじゃ意味ないんだよ?
待ってください。書きたい内容をねじまげろと言ってるわけじゃないんですよ。
ホラーとか失恋とか戦争とか虐待とか、重いシリアスな内容の作品だって、冒頭からラストまでひたすら暗いだけのシーンが続くわけじゃないですよね?
たまにはホッとするシーンもあれば、愛する人といいふんいきになるときだってあるはず。
たいていのマンガなんかは、シリアスな絵柄のほかに、チビキャラがいて、メインストーリーとストーリーのあいだに、ひとコマ二コマ、チビキャラでギャグが入ったりする。どんだけシリアスな作品でも、全編通してみれば、一度や二度はある。そうでなくても、シリアスな絵柄でちょっとシュールな会話とか。
あまりにも重くなりすぎたなぁ、ちょっとだけでも息抜きしたほうがいいかなと思ったら、上記の方法を即、活用!
人間って緊張した場面がずっと続くと疲れるじゃないですか。なので、少し気持ちをやわらげるだけで違ってくるのでは? と思います。
いちおう、僕は八重咲探偵のなかで、なごみキャラとして清美やアマガエルの妖怪を出してます。戦闘のあとにはお菓子タイム。
あと、主役の龍郎自身がすごくおっとりしてるので、シリアスなシーンでも、たまに場違いにコメディタッチなことを考えだしたりして、ほっこりすることも。
ホラーだけど、いつも怖い場面や戦う場面だけだと、読者もイヤだろうし。
そういう試みは多少なり、みなさんもされてるんじゃないですか?
大事なのは、読者の欲しがるタイミングで息抜きが入ってることかなぁと。たぶん、書き手が思ってるよりも、少し早めに読者は癒しが欲しくなる……ような気がする。
まあ、キャラクターの性格によっては、ギャグを入れるのはムリってことも。作品のふんいきを壊したり、浮いてしまうようではいけないので、その場合はギャグやコメディではないものの、緊張のほぐれる会話などを入れてみてはいかがでしょう。戦地から恋人に電話をかけるみたいな。安らぎ系ですね。
だからと言って、ストーリー本来を修正するわけではないので、もちろん、破局や虐待はさけられない。その瞬間に離脱される危険性は、つねにはらんでいるわけですが。
暴力シーンやエロシーンをふくむエピソードに、サブタイトルで警告を入れとく書き手さんおられますよね。苦手な人はさけてください、みたいな。
あれはいい手かもしれません。とばした読者は多少、ストーリーがわからなくなるかもしれませんが、苦手なシーンをさけられるのは利点です。さけてでもストーリーだけ追いたいという人はあるていどいるのかなと思います。
そういう人のために、どこかに『ここまでのあらすじ』みたいなのをはさむと、なおいいかも。
ところで、僕の話のなかで『東堂兄弟の冒険録』ってのがあるんですが、これ、50万字の長編で、今後まだ続編がある。いわゆる異世界転移。ゲームっぽい世界にとばされて、魔王を倒しに行くことになる話なんですが……。
ゲームの中心が家庭用小型機だったころのような作りで、街を探索、情報収集、モンスター討伐、次の街へ移動という王道のパターンをくりかえしていってストーリーが進みます。戦闘はターン制。あまり臨場感はないけど、そのかわり頭脳プレイになりがちなので、さほど残酷な描写はない。
とは言え、50万字ですから、ストーリー的な盛りあがりのために、ときにはツライ場面なんかもあるんですよ。お母さんがモンスターに変えられてしまったとか。お兄さんがモンスターに取り憑かれて弟を殺そうとするとか。仲間が死んで蘇生しない、とか。
ただ、この話にかぎっては深刻な場面だからと言って離脱されることはないようです。読む人は最後まで読むし、読まない人は最初の一、二話で読まなくなる。シリアス離脱はないけど、つかみの問題ってことですかね。
これがなぜ、シリアス離脱しないかというと、大きいのは主役の一人称によるコミカルな文体ではないかと思います。悲しい場面でも重くなりすぎてない。
あとですね。前述のように一つの事件はその都度、解決していくスタイルなので、深刻な場面が続くとしても、さほど長くはならない。その事件のラストにはちゃんとハッピーエンドになるので、わだかまりなく次に進める。さきほどの仲間の死も、蘇生しないと思わせといて、その章のラストにはちゃんと蘇生します。
完全なほのぼのストレスフリーではないけど、それに準ずる形と言いますか。読者にあまり負担にならないシリアス度なんでしょうね。
タグにもちゃんと、「たまにシリアス」「でも安心して読める」と入れてるのも効果ありかも?
最初からヘビー級ダークファンタジーを目指してたら、そういうわけにもいかないですが、このへんを意識して書くと離脱が少ないのかなぁ?
よく考えたら、この話、主役がピンチになると、いいタイミングで助けが入りますね。シリアスな場面はあるけど、それはまわりの人たちに起こることで、主役がほんとに深刻なめにあうことがない。
つまり、ツライめにあうのが主役でなければ、あるていど許容してもらえるってわけですね。
防止策を講じる回なのに、もともとストレスフリーなのがいいって結果に……。
なかなか根深い問題ですね(^_^;)
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