父親の潜行

––––ルークはアリアと付き合うようになって、そのことを報告する間も無く、父親である国王、カール・フィアデルに呼び出されたのであった。




ギィ

ルークがドアを開ける。


「おお!ルークよ!いいとこに来たな。こちら、ウォーデン財団会長のウォーデンさんだ。」

「これはこれは、ルーク王子。どうぞよろしく。」


ウォーデンは手を差し出しだした。

「どうも...」


こちらも手を差し出し、握手を交わした。

「それで、どうしてウォーデンさんがここに?」


「いや、議会でこの人が財務大臣に推薦されてね、議会の決定に私の票も入るから是非対談してくれと頼まれたのだよ。そしたらウォーデンさんと気が合ってね。」


「ハハハハハ!そういうことだ、ルーク君!」

「まぁそこでだ、両家の親交の証としてお前とウォーデンさんのところのお嬢さんと結婚してもらうことになった。」


––––ちょっと待てよ...それって、アリアと俺はどうなるんだ?


「ちょっと、親父。こっち来てくれよ。」

「ん。わかった。ウォーデンさん、少し失礼する。」


「あぁ。お構いなく。」

そうしてカールとルークは部屋の外に出た。


「俺、アリア・スタレットと付き合うことになったんだけど...」

「あぁ。そうなのか、一年程かかってるものだからもう失敗したかと思っていた。しかし、私の方でも進めと...」


「親父の都合で考えんなよ!」

「お前の都合も考えておるぞ?」


「..,俺は、本当にその子のことが好きで...」

「ほぉ。そうか........」


「俺は絶対結婚なんて––––っ!」

グッ!

カールはルークの首を後ろから掴む。


「まぁとりあえず、会うだけ会うんだ。」

––––親父、相変わらず馬鹿力だ!


そうしてルークはカールに半ば無理矢理部屋に引き戻された。


「すみません、ウォーレンさん。待たせてしまって...」

「いえいえ、そう気になさらず。」


「ほら、ルーク。椅子につけ。」

ルークはカールを睨むだけで椅子に座ろうとしない。


「椅子につけと言ってるだろう?」

カールはルークを睨み返す。

––––ダメだ、ここで親父に逆らったらただじゃ済まない。

ルークは渋々座った。


「では私の娘を紹介してもよろしいかな?」

「ええ。」

「こちら、私の一人娘、














     アリア・スタレットだ。」


















ルークがカールの方を見ると、カールはニヤっと笑っていた。

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恋するミッション 東雲才 @chocolatejunkie12

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