100万回泣いた日々

とーわとわ

100万回泣いた日々

 100万回泣いた。100万回泣いたから、もう泣かないと思ってた。

 だけど、また泣いた。

 おおやにこやるは泣きながら、学校の帰り道を歩いていた。

「どうしたの?大丈夫?」

 草鞋を履いた大男が、背をかがませて、訪ねてきた。

「なんでも、な、い、だ、、い、じょ、、、、ぶ」

 鼻水を垂らしながら、こやるは答える。

「うーん、でもね、泣きながら歩いていたら、危ないよ。一旦涙を落ち着かせよ」

 大男が説得しようとすると、こやるの涙はますます出てきてしまう。

「まって、まって、まって」

 大男は大慌て。手足をあたふたさせてしまう。

「ふふ」

 こやるはその姿に笑ってしまう。

 大男はこやるの顔に笑顔が戻ったのに気づき、ニコッと笑い出した。

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100万回泣いた日々 とーわとわ @to-watowa

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