第87話 居酒屋と作戦会議


 「らっしゃっせー! 何名……様……」


 「大人数ですんません、8人です。 出来れば個室が良いんだけど、空いてる?」


 「ご、ご案内いたしゃーす……」


 先頭の俺ら黒鎧集団を見た店員のお兄ちゃんが、顔を引きつらせながら店の奥へと案内してくれた。

 すまん、と心の中で謝っておきながら各々席に向かう。

 あぁ、居酒屋とか久しぶりだ……ここの居酒屋には何があるんだろうか。


 「ご主人様……本当によろしいのですか? アレのやった事を考えれば、我々こそ最初に放置すべきだと思いますけども……」


 「コレばかりは私からも謝ろう、すまない。 だがそういう訳にもいかん。 ギルドと国は直接ではなくとも、結構繋がりがあるんだ。 だからこそ、聖女の失踪は見逃せる問題ではない。 大事になってから巻き込まれたのでは、たまったモノではないからな」


 「でも、私達には関係ないです。  ウォーカーは基本的に仕事を選べる立場にありますから」


 「戦争にでもならない限りは、な」


 「……」


 相変わらずピリピリした様子の南に対して、何だかんだ付いて来た支部長が苦笑いを浮かべながら対応している。

 実際の所他のメンツも付いて来ようとしたり、噛みついて来ようとする奴は多かったのだが中島とクーアが押しとどめてくれている。

 最初から喧嘩腰では、ろくに話が進まないだろうという事で二人が頑張ってくれている訳だが。

 南と白だけはついて来てしまった。


 「私は、北達の御守り。 変な依頼だったら断る様に、中さんに頼まれた」


 「俺らは威厳とか信頼とかないのかな」


 「こういう事に対しては、全くない。北は変な依頼でも受ける。 頭脳は筋肉、見た目は蛮族」


 「あ、はい」


 とか何とかで、中島以外に一番棘の少なそうな白がお目付け役に付いた。

 女子高生に監視されるおっさんって一体何なんだろう。

 そして誰が脳筋蛮族じゃい。まぁ、今は良いか。


 「とりあえず飯にしようぜ、食いながらでも話は出来るだろ。 さって、お前等何にする?」


 「もう少し警戒しようぜこうちゃん、腕斬り飛ばした相手だぜ? 座った瞬間荷電粒子砲が飛んで来たらどうするよ」


 「でもくっ付いたし、今日は戦う気ないみたいだし」


 「とはいってもねぇ……まぁ北君がそう言うなら良いけどさ」


 席に付けば、両サイドを固める形で西田と東が呆れ顔で腰を下ろした。

 いやぁ、懐かしい。

 昔居酒屋行くとこういう並びだったな、なんて事を思っていれば。


 「ご主人様はもう少し人の悪意というモノを重く見るべきです。 今は大人しいからといって、人がそう簡単に変わると思わない方が……」


 何やらキョロキョロしながら席を捜す南が、未だに厳しい声を上げている。

 どうやらどこに座れば良いのか迷っているらしい。


 「あ、ごめんね南ちゃん。 居酒屋だといつもこの並びだったから、つい。 北君の隣が良い? はい、ココ座って」


 そう言いながら、東が一人分隣にズレると。


 「す、すみません東様……」


 「いえいえ、定位置じゃないと落ち着かないよね。 そう言えば最初に飲みに行った時もこの並びだったっけ」


 そんな会話をしながら南は俺と東の間に腰を下ろし、白は何も言わずに西田の正面の席に腰を下ろした。

 アレだろうか。

 仕事の飲み会みたいに、席順とかも決めておいた方が良かっただろうか?

 なんて事を思っていれば、白の隣に支部長と初美。

 そして気まずそうな勇者が、端っこにそろりそろりと腰を下ろした。

 ま、何でも良いか。


 「ではまず、今回の報告から聞こうか。 本来なら戦風達からも報告が欲しい所だったが……この状況ではな。 まずはこちらの話を済ませた後に――」


 「すんませーん! 生4つ! あ、支部長もビールで良いか? 未成年組はジュース選べ、ホレ」


 「おい、聞け」


 居酒屋に来たら、まずこれが礼儀でしょうに。

 なんて事を思っていれば、大人組の前にビール。

 子供組にはジュース、そして全員に御通しが出て来た。

 俺らの鎧を見る度にビクッとされる訳だが、もう慣れっこだ。

 いい加減色変えろよと言われるかもしれないが、黒鎧は山の中で便利なのだ。

 そんでもって格好良いのだ。

 だから変えん。


 「そんじゃ、いただきます」


 「「「いただきます」」」


 お通しは5つの小鉢に分けられた量の少ない料理。

 舌を慣らすというか、ココの店を知ってくれと言わんばかりの良い雰囲気だ。

 ほうれん草のおひたしに、きんぴら。

 厚焼き玉子に、ベーコンの厚切り。

 そして何故かピスタチオ。


 「組み合わせが良く分かんねぇな……」


 「でも結構うまいぜ? ほうれん草うめぇ」


 「何でも作れるよってアピールなのかな? とはいえ見た目的にはもう少し合わせた方が良い気がするけど。 でも旨いから良いや」


 そんな事を呟きながらお通しを摘まみ、最初のビールで喉を潤す。

 確かに旨い。

 ほうれん草の塩ゆでに鰹節、そして醤油。

 もうこれだけでもご馳走だよね

 茹でると滅茶苦茶少なくなるのは、アイツの一番の難点だと思うが。

 非常にさっぱりする。

 そんでもってきんぴら、コイツも旨い。

 ピリッとする辛みを味わいながら、ゴボウのコリコリした歯ごたえを味わう。

 どっちも“こっち側”に来てから食ってなかった代物だ。

 懐かしいなぁ……という感想と共に、酒が進む。

 若い頃ならガッツリ系とか菓子とかで酒を飲んでいたが、歳を取るとこういうのでまったり飲みたくなる事もあるのだ。

 なんて、考えていると。


 「ご主人様。 私も成人していますし、お酒を頼んで良いですか? 今日は流石に飲みたい気分です」


 「ダメです、お酒は二十歳になってから。 あとヤケ酒はろくな事にならないから止めなさい」


 「北、ここおでんがある。 頼んで良い?」


 「良いです、全員分頼みなさい」


 二人が各々好きな物を注文していく。

 おでん各種、唐揚げ、串焼きなどなど。

 ついでに注文した枝豆などもテーブルの上に到着し、何だかんだパーティ状態になってきた頃。


 「キタヤマ……そろそろ良いだろうか?」


 仕事終わりの為、普通に飯を食い始めた俺達に対して支部長が苦い顔を向けて来た。

 忘れていた訳ではないが、面倒事は一旦大人しくなっただけでまだ終わってはいない。

 ちびちび酒を飲みながら困った顔をする支部長と、気まずそうにしている勇者と初美が視線に入る。


 「まずは食え、腹減ってんだろ」


 適当に盛り合わせたおでんを差し出せば、勇者はおずおずと器を手に取った。


 「いいのかな、俺……その、アレだし。 今更だけど、“向こう”で言えば重罪人だし。 それにお前達にだって……」


 「“向こう”と“こっち”じゃルールが違う。 気にすんな、とは言わんが。 人間生きてりゃ腹くらい減るだろ。 とりあえず食え」


 「いただき、ます……」


 そんな訳で、やけにしおらしい勇者も飯を食い始める。

 ちょびちょびと遠慮がちに食い始めた訳だが、途中からガツガツと勢いよくおでんを頬張り始めた。

 まだ詳しく聞いた訳じゃないが、“しばらく何も食ってなかった”ってのはマジなのだろう。

 そんだけ必死に“聖女”を探し回っていたという事だ。

 異世界主人公になって調子にさえ乗らなきゃ、結構ガッツがある奴だったってこった。

 全く……何やってんだか。


 「すんませーん! 生4つおかわり! あとホッケとキムチ鍋!」


 「北、シソ入り厚焼き玉子も」


 「こうちゃん手羽先も頼もうぜ手羽先」


 「さっぱり系も欲しいねぇ。 あ、大根サラダとか良いんじゃない?」


 「お前等自分で頼めよ!」


 何だかんだわちゃわちゃしながら、久しぶりの居酒屋飯は進んでいくのであった。

 若干支部長に呆れた視線を向けられている気がするが。

 まぁ良いさ、難しい話は腹を満たしてからだ。


 「えと……俺も注文して良いかな」


 「好きにしろ。 腹減ってちゃ頭も回んねぇぞ」


 「お、おう! すみませーん! 注文良いですかー!?」


 幾分か顔色の良くなった勇者も、皆に混じって声を張り上げるのであった。


 ――――


 それからしばらく食事を続け、その後ポツリポツリと話を聞いたりこっちが話したり。

 どうやら勇者の方もお国のお偉いさんから話は聞ける状況ではないらしく、最近は日帰りであれば出かけても構わないが、なるべく国の中に残っていてくれと言われているらしい。

 なんともまぁ、雑な扱いです事。

 最初の頃の手厚いサポートは何処へ行ったよ。

 なんて呆れたため息を溢してしまうが、何やら城の中でもきな臭い空気が蔓延っているらしく、そちらに掛かり切りになっているとの事。

 聖女の失踪と同時に教会側の人間、そしてそれに関わる兵士達などが姿を消したんだとか。

 それを聞いた支部長が、随分と苦い顔を浮かべながら。


 「これは、本当に戦争になるかもしれんな」


 とかなんとか、とんでもなく嫌な台詞を吐いておられる。

 そんな事態になっているのなら、確かに若造一人に構い続けている暇はないだろう。

 とはいえ、コイツ勇者よ?

 人類の希望なんでしょ? もう少し詳しい事情を説明してやっても良いんじゃないかね。


 「私が見ていた限りは、彼等は“異世界人”の事を道具としか見ていない様子でした。 だからこそ、戦闘が始まった時に近くに居てくれれば良いと考えているのでは?」


 当時を思い出しているのか、眉に皺を寄せた初美が口を開いた。


 「そんな簡単なもんかねぇ。 まぁ呼び出しておいてハズレだったら放り出す連中だから、はなから信用なんぞしてないが……」


 大きなため息を溢しながら、焼き鳥の串をガジガジしていると。

 ジョッキを傾けていた支部長が、「ふむ……」と静かに溢しながら腕を組んだ。

 難しい顔をしながらも、俺達同様疲れたため息を溢している。


 「キタヤマの報告にあった獣人達は……まぁ良い、我々も手が伸ばせる範囲は決まっているからな。 全てを救える訳ではないのは最初から分かっていた事だ。 しかしお前達が遭遇したという“白い首輪”をした魔獣。 これに見間違いはないな?」


 「あぁ、そうだな。 どっかのペットか何かか?」


 「それは、教会の連中が使用する“奴隷の首輪”だ。 重罪人なんかを更生させる為に使用される、強力な付与が掛けられた代物だ。 そして、勇者が言っていた聖女と共に教会の関係者の失踪。 雑な考えではあるが、目星はついたかもしれんぞ」


 是非とも勘弁して頂きたい。

 前回の調査で終わりって事にして頂けませんかね。

 今度の相手は教会ですか、クーア達を切り捨てた連中ですか。

 聖女の召喚に成功してから教会が調子に乗った、なんて話は聞いたが。

 そんなに簡単に攫えるもんなのかね?


 「教会にとって聖女とは、勇者よりも価値があると言われている。 そしてどういう利害関係なのかは知らんが、教会の人間の上層部は普段から王城に出入りしている。 つまり、大事にせずに“聖女”を連れ出せる立場にあるという事だ。 そしてお前達の遭遇した“白い首輪”の魔獣……しかもその数だ。 一体何を守らせているんだろうな?」


 何か、どんどん話が嫌な方向へと向かって行ってる気がする。

 何の企みかは知らんが、教会は聖女様とやらを攫った。

 んでもって森の奥深くに身を潜め、周囲を自分達の使役する魔獣達に守らせている、と。

 うわぁ……絶対ろくな事してねぇ。

 悪の秘密結社です! って言われたら、ですよねって答えちゃうくらい見事に悪い事してそう。


 「だったらその場所に望が!」


 「まだ決まった訳じゃない。 しかし、可能性は高いだろうな」


 「黒鎧、頼む! その場所を教えてくれ!」


 今すぐにでも飛び出しそうな勢いの勇者の頭を掴んで、元の席へと押し戻す。

 脊髄反射で行動し過ぎだコイツは。

 俺らもあまり人の事は言えないかもしれないが、ココまでじゃない気がする……多分。


 「俺らが調べた場所は歩きで数日は掛かる上、足場がとにかく悪いからな。 お前は日帰りしか出来ねぇんだろ? どうすんだよ」


 「そんなの関係ない! 俺はっ――」


 「国を裏切ってでもお前は聖女を助けるってか、そりゃご立派だ。 流石主人公様って所だな。 そんで? お前が居ない間にマジで戦争だ何だと起こった場合はどうすんだ? 今まで頼り切ってた国の連中と、迷惑かけまくった奴等は放置するって事で良いんだな?」


 「そ、それは……」


 コイツの立場は、何処までも不安定だ。

 王族にとって、というか国にとっては最終兵器。

 民にとっては希望の光。

 しかし、被害者やウォーカーにとっては……殺してやりたいくらい憎くても、殺せない相手。

 実力的にも、立場的にも。

 そんな奴が今度は単独で好き勝手してみろ。

 今度は国からも民からも“肝心な時に居ない勇者”なんて言われる事だろう。

 コイツは帰る場所が無くなり、恨んでる奴等からは更に恨みを買う。

 そうなってくると、国を逃げ出す以外の選択肢がなくなってしまう様に思える。

 だが、ソレは許されない。

 コイツは、まだ一欠片としてエルの様な奴等に償いが出来ていないのだから。

 死ねとは言わん。

 しかし逃げ出す様な真似をするなら、俺らの様な“異世界組”の中でも最底辺の評価……にはもうなっているかもしれないが。もう更生を望む事は出来そうにない。

 そして逃げた先で再び愚行を繰り返すようなら、その時は間違いなく“処理”が必要な存在になってしまうだろう。

 それだけは、出来れば止めて頂きたいのだ。


 「てめぇは償うって決めたんだろ。 だったら、守れ。 迷惑かけた連中にどれだけ恨まれようと、罵倒されようと、とにかく守れ。 それがお前の唯一出来る事じゃねぇのか? それとも、ごめんなさいって頭下げるだけで償うつもりでいんのか?」


 「ぐっ……」


 とはいえホレた女を助けに行きたいってのも、分かるには分かるんだけどな。

 はぁぁぁと大きなため息を溢せば、白からジロリと睨まれてしまった。


 「北、また馬鹿な事考えてる」


 「んだよ」


 「確かに、悪食を公に動かすべきじゃないな。 勇者に手を貸したとなれば、ウォーカー達から評価にも関わる上……エルの様な者達にも示しがつかん」


 支部長からもため息交じりに、言葉を追加されてしまった。


 「とはいえ支部長さんよ、聖女ってのを放置する訳にもいかないんだろ? そんでもってウォーカーで動こうとする奴も居ない上、国も戦争の準備で大忙しな訳だ。 どうするってんだ?」


 「僕達だって勇者に手を貸すのは思う所が無い訳じゃないけど、その聖女には何の恨みはないしねぇ。 結局戦争になって駆り出されるなら……ねぇ?」


 こういう場面では珍しく、西田と東が口を挟む。

 どうやら“そういうつもり”で居るらしいが、どちらも何故か俺に向かって呆れた視線を向けて来ているんだが。

 解せぬ、お前等だって一緒だろうに。


 「はぁぁぁ……」


 もう一度思いっ切りため息を吐いてから、ひとつ頷いて顔を上げる。

 そして。


 「今回、“悪食”は依頼を受けない」


 「っ! やっぱ、俺の頼みじゃ駄目か……? 俺に出来る事なら何でもする! だから――」


 「ふぅ……ソレが正しい判断だ。 聖女の調査は勇者の名を伏せて、こちらでどうにか――」


 「だが、俺たちはしばらく自由気ままな野営生活を送ろうかと思ってる。 行き先はちょっとわかんねぇなぁ……メンツも自由参加にすっから、ホームには何人か残ってるだろうよ。 何か用があったらそっちに伝えてくれ」


 支部長と勇者の声を遮り、続けざまにそんな事を言い放ってみれば。

 対面席から「は?」という顔を向けられてしまった。


 「もちろん俺は参加するぜ」


 「僕も。 熊鍋とか美味しそうじゃない? そう言えば前回行ったところにいっぱい居たね。 また行ってみる?」


 「ご主人様方はどうして……いえ、今更ですね。 誰にでも手を差し伸べる、底抜けのお人よしです。 だからこそ、私も救われたんでしょう。 納得はしませんが、私もお供致します」


 そう言って、こちら側の席に座るメンツは全員手を上げて見せた。

 わりぃな、と心の中で謝りながら向かいの席に視線を向けてみると。


 「まぁ、こんな馬鹿じゃなければ、私や中さんをわざわざ助けに来たりしないか……ん、私も参加」


 「なっ!? お前達、分かっているのか!?」


 支部長が慌てた様子で立ち上がるが、俺たちはヘッと軽く笑って見せてから酒を呷った。


 「何を勘違いしてるのか知らねぇが、俺たちは森に“遊び”に行くだけだ。 そんでもって戦争に巻き込まれるなんて御免だからな。 外に逃げ出して、しばらく様子を見ようって腹づもりよ。 だがもし聖女様ってのに出合ったら、攫ってきちまうかもしれねぇな。 お持ち帰り出来れば、どっかのクソガキが俺達の事も全力で守ってくれるだろうし。 そうでなくても、何かしら調査して来れば大金が貰えそうだ。 生憎と今回は大赤字でな、少しは冒険しねぇと儲かるモンも儲からねぇ」


 なんて軽い調子で言い放ってみれば、勇者は間抜けな顔をしながらポカンと口を開けている。

 コイツの事を全力で助けてやろうなんて思っちゃいない。

 ただただ、少しだけ手を貸してやるだけだ。

 あとは、コイツ次第。

 コレが同じ古巣のよしみとして、最後にしてやること。

 ここで変わるなら良し、変わらないのなら今度こそ見限る。

 その判断基準として俺たちは、“悪食”としてではなくただの個人として、コイツの願いを聞いてやろう。

 望みを叶えてやれるかどうかは分からないし、仲間が危険に晒される状況になるならすぐにでも撤退してくる訳だが。

 それでも、何にも知らずに急に戦争に参加させられるよりはずっとマシな気がする。


 「すまん……頼む、黒鎧」


 「頼むな、俺たちはお前の依頼は断ったんだ」


 「えと、そんじゃ……ありがとう」


 「空気読めや、クソガキ」


 そんな訳で、今後の予定が決まった。

 今回ばかりは仕事でも何でもない。

 ホームに帰ってなんて言われるか分からないし、今回もまた俺の我儘を押し通した形になる訳だが。

 はてさて、どうなる事やら。


 「ま、調査っつぅか遠目から見るだけにはなりそうだよなぁ」


 「もしかしたら戦争を準備してる奴らが相手だしねぇ。 魔獣も多いのは確認済みだから、相当準備していかないとねぇ」


 友人二人から、やけに呆れたため息が零れるのであった。

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