第3話
夜になりました。
ドアが開くと、先生とスーツの男の人が帰ってきました。スーツの男の人は、先生のタキシードや靴等を片付けだし、先生は……きっとお風呂に行ったのだと思います。
今朝の事がまるで無かったかのように、先生と男の人は、明日の事を話していました。
そのうち、男の人が帰ると先生は部屋の大きなソファに寝転びました。
先生の家には、どうやらベッドがないようです。いつも先生は、このソファで寝たり、ご飯を食べたり、本を読んだりしています。
先生は、皆から“先生”と呼ばれていますが、なんの“先生”なのでしょうか?
ーーーーーー
「……スゥ。スゥ!!!!!」
先生は、たまにうなされています。その度にいつも僕の名前を呼びます。
先生。僕は、いつもここにいるよ。
「スゥ!!!!!」
先生は、僕の名前を叫び、汗をかなりかいて、肩を大きく動かしながら飛び起きました。
「はぁ……。うぅ。」
頭を抱え、先生は泣き出しました。
「スゥ……。」
先生は、ボーッとした目で僕を見つめ、僕に近付いてきて、僕を抱きかかえてから優しく抱きしめて頭を撫でてくれました。
「あぁ……。スゥ。あぁ。」
そのうちいつもみたいに優しく、僕の頭や頬や唇だと思われる箇所にキスをしてくれました。
これが“気持ちいい”とか、“しあわせ”とか、“愛おしい”、という事なのでしょうか?
そのうち先生は、僕の身体にゴソゴソと何かをしだしました。その時、僕は初めて何か“布”の様な物をまとっていて、それを先生が僕から剥がし、きっと首や胸となる部分にも優しくキスをしてきました。
僕は声が出ないし、やはり動けないみたいです。先生にされるがままの時、先生は僕の頬に触れて泣きながらまたキスをしてきました。
「スゥ。愛しているよ。誰よりも何よりも。私だけのスゥ。スゥ……そして。」
先生は僕の耳元でソッと囁きました。
「僕も君だけのものだ。スゥ。」
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