エピローグ
結局、週末はシフトをいれてしまっていたバイトの時間以外、楓ちゃんと同じピンクのグロスを買いに行ったり、動画配信サービスで映画観たりして二人ですごした。
「ねむっ、月曜日、二人とも2限からでよかったね~」
「昨日も夜更かししちゃったもんね」
大学に行く準備、一緒にメイク。仕上げは楓ちゃんとお揃いのピンクのグロス。
「茜ちゃ~ん」
甘い声の先には瞳を閉じた楓ちゃん。
この誘惑には抵抗できない。
グロスで彩られた、形のいい唇に自分の唇を合わせる。女同士の柔らかい唇と唇はそれだけでふわふわとした高揚感を私に感じさせる。
「大学、サボる?」
「ダメ~、茜ちゃんらしくな~い」
あっ、もしかして私、調子のっちゃったかな?
「大学から帰ったらね~?ほら~行くよ~」
まさに、えへへ、といった笑顔で私の手をひく楓ちゃん。
嬉しくてにへにへ気持ち悪い笑みがこぼれてしまう。
きっと、これから先、私も彼女には敵わないんだ。
鈴川さんのリップスティック 南野月奈 @tukina
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます