あとがき

あとがき

 ここまで読んでくださってありがとうございます。

 あとがきから読む派のみなさんもありがとう。(ネット小説をあとがきから読む人なんているのか?)


 この小説は大学生の頃に書き始めて、長年放置してたものです。windows vistaのメモ帳で書いてUSBメモリに保存していた時代です。今やスマホで音声入力してクラウド保存の時代です。時の流れは早い。

 当時は「働いたら負け」とか「ネオニート」とかあったんですけど、もはや死語ですよね。そもそもニートなんて言葉、今の人たちは使っているのでしょうか。少なくとも僕は見たことありません。


 その後就職したものの、出世コースどころか正社員コースからも外れてしまい、ほぼ空白の時代を過ごしました。その時ふと「30歳になる前になにか成し遂げてやろう」と思い立ち、書き上げたのがこの小説です。


 10代で活躍してる書き手がたくさんいるので尻込みもしましたが、よく考えるとどの業界でも同じです。僕も職場で若手にどんどん抜かれてました。

「自分はもう最下位だ。あとはもう抜かれる心配はない」と開き直るしかありません。非正規雇用は切ないです。


 そんな背景があるので、作中では成功者への口撃が多いです。私情が混ざってますが、論破したり説得したりするだけのチャンネルも流行ってますし、たぶん受け入れられるでしょう。


 そして、書き終えた今、自分は相変わらず最下位です。


「書き終えたら何かが変わるはず」と信じてやってきましたが、書き終えても何も変わりません。日本の鉄道に全て乗った人も、達成したときに感じたのは虚無感だったと言ってました。まぁそれが現実です。

 履歴書に書ける経歴が増えたわけでも、文章を書く力がついたわけでもありません。当たり前のことなのですが、切ないです。あの苦悩した日々は無駄だったらしいです。

「ニートは死んでも治らない」というのは、ニートが死んだつもりで頑張っても中身はニートのままという意味なのかもしれない。


 最後に、タイトルについて。

「治らない」というのは、ニートは病気のように治療できないということです。ニート問題は社会通念やアイデンティティの問題です。冒頭でユキが言ったように「ニートは深い」のです。

 といっても、本作はただのギャグ小説です。あんまり真面目に読まずに笑って流して下さい。読書のみなさまに少しでも楽しんでもらえれば作者冥利につきます。


 では、僕はまた次の虚無感を求めて次回作へ向かいます。

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