第11話 シー・ユー・ニャゲイン

 いつもの憩いの駐車場に金網が張られてしまった。ご丁寧に金網の上には有刺鉄線イガイガも張られ、猫達は駐車場に入る事が出来なくなってしまったのだ。


「またニンゲンのワガママでおれ達の居場所が減ってしまったな」

 茶トラが寂しそうに呟く。暫定的に集合場所になった、駐車場近くの個人商店の軒先で猫達は語らっていた。


「まぁ、しょうがないわよ。所詮ニンゲンと猫は相容れない存在なのだから」

 アメショーの達観した意見も、やもすれば負け惜しみにしか聞こえずに虚しく響く。


「別にあの駐車場だけがボクらの集会所でも無いしね。ブチお爺ちゃんが良さそうな場所を幾つか知ってるって言ってたよ」


 チンチラの能天気で明るい声は場を和ませる力がある。


「ま、私はいつもその辺をブラブラしているから、良い場所見つけたら教えて。また近いうちに集まりましょう。…あれ? そう言えば今日は珍しくキジトラが居ないわね?」


「あぁ、キジトラなら旅に出たぞ。なんでもニンゲンに貰った食い物が美味かったらしくて、それのっている木を探しに行くんだと」


茶トラの言葉に『あらぁ、キジトラあいつ意外と馬鹿だったのねぇ…』と逆に感心してしまったアメショーだった。



               〜ねこかいぎ 完〜

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