最終話 リアルとネット

え....光の言っていることが信じられなかった。

頭が真っ白になるってこういうことなんだ

うそ...なんで...?

光のために動いてきたのに...

あのままだと潰されてた...俺がいなきゃあいつらの思い通りだった...

光はあくまでネットはネットっていう彼女だったってことか?

でも...あんなに...

その日の夜中まで俺はずっと泣いていた。布団の中でずっと泣いていた。

しんどい...学校に行きたくない

どんな顔して光に会えばいいんだよ..

だけど学校での俺とネットでの俺は違う

学校には行かないと

などと考えてるとリアル垢の方に光から連絡がきた

『あの、望月くん。明日放課後2人で話したいことあるんだけどいい?』

『え、うんいいよ?』

なんだろう

2人で話す時、ちゃんと顔を見て話せるだろうか


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数分後生徒会長からもリアル垢に連絡がきた。

『望月くん、話したいことがあるんだ。本当は今すぐにでも話したいことなんだけど、それだとあれだからね

明日の朝早く来れるかな?』

黒幕...という言葉が頭を過った

しかしリアルとネットは違う

俺が制裁を加えたのはネットでなのだ

なんの話だろうと思いつつも了解の返事しかできなかった。


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翌日

俺は急いで家を出て学校に向かった

下駄箱に行くと生徒会長が待っていた

「やぁ、だいぶ待ちましたよ望月くん」

「はい、待たせてすいません。話とはなんですか?」

「まぁまぁ、こちらに入って話をしましょう」

と生徒会室に入れられた

「君だったんだね」

「何がですか?」

「分かるだろう?光の彼氏で僕たちが犯人だと言うことを見つけ出したのは君だったんだね」

「なんのことですか?」

「しらを切っても無駄だよ。僕はちゃんと分かってたよ。ただ僕が黒幕ってことを見つけられたのは計算外だったけどねぇ。雪に任せたのは失敗だったか、使えないな。もうちょっとちゃんと光を潰しとけば良かった。裏掲示板なんてぬるかった」

この一言で俺の中の何かが切れたきがする。

「お前、それ本気で言ってんのか?」

「おっ、どうしたんですか?」

「自分で勝手に光を恨んでおいて、自分で潰さず人にやらせて、お前みたいな臆病者に光が振り向くはずねーだろ!

好きなやつ泣かせて楽しいのかよ」

「泣かせたの僕じゃないよ、雪だよ」

「責任転嫁してんじゃねぇぞ?

雪が自分に好意を抱いてるのを分かった上でしょうもない条件付けてやらせた、お前が1番悪者なんだよ」

この瞬間リアルの僕とネットの僕が一緒になった気がする。

リアルではこんなに大きな声で喋れないし、こんなに言うことは出来ない。


光と付き合ってから、僕の中の何かが変わってきてる気がする...

前まではネットで付き合ってた彼女に振られても泣いていなかった。

ネットで作った彼女の身になにかが起こっても、心配はするけど行動には起こさなかった。

クラスメイトだから?いや、リアルの俺はもっと臆病だ

喋りかけられても緊張して小さな声しかでなくて、他人に関心なんて示さないのがリアルの俺だったはずだ。

普段ならこんなことは出来なかっただろう。俺は生徒会長を殴った。

人にイラついたのリアルじゃ初めてだ

親をバカにされようと、自分をバカにされようと、友達をバカにされようと、なも感じた事はなかった。

俺は生徒会室を出た。




「よし...目標は達成したよ光ちゃん。これで望月くんも素を出せるだろうね。」


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リアルもネットも関係ない

おれは〖小川 光〗が好きだ


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放課後の屋上


「待ってたよ望月くん?」

「あぁ、待たせてごめんな」

驚いた顔をしていた

「ねぇ、何かあった?」

「ん、まぁあったけど」

「そっか!でもいいことっぽいね。とりあえず話をさせてもらうね?」

「うん」

「私ともう1回付き合ってください!」

ん...?もう1回...?

「もう1回?」

「うん、シロ?私は嫌いになったから振ったんじゃない。もう1回告白するために振ったの」

シロと言う言葉が光の口から出てきて俺は驚いた。

「気付いてたの?」

「途中でね」

「でもこんな陰キャと付き合いたくない

でしょ?」

「ふふ、そう見える?」

...

「私はね、ネットで彼氏を作ったのは初めてだった。でもネットの彼氏とはいえ、私には彼氏として映ってた。優しくて私の気持ちをよく考えてくれる人、そんなシロが大好きだった。

でも、ある時気付いちゃったんだ。シロが望月くん...いや駿ってことに」

「うん...」

「だから振ったわけじゃないよ!?最初はビックリしたし、どうしようか考えた。けど私そんなこと必要ないくらいシロのこと好きってことに気づいちゃったの」

『『だからさ、私と付き合って?』』

話を聞いてる途中から涙が溢れてきた。感動した。

光がこんなに僕を大切にしてたなんて思ってなかった。

振られた時は苦しんだ、気付かれないかとヒヤヒヤしてた。

もえネットもリアルも関係ない

こんなん答えは一択しかないだろ

「はい、もちろん!大好きだよ光」


そして光と駿は付き合ったのでした



【完】










ん....?なにかがおかしいよなぁ...

いくら雪が頑張ってもクラスのやつ全員鎮火できるとは思えないんだよなぁ

なんで今日は光に言ってこないんだろう


※ここからは仮の話である

もし仮に光が全部分かった上でやってきてたとしたら?シロがおれだってことに気付いたうえで、周りに協力してもらってたとしたら?生徒会長も雪も他のクラスメイトも全員グルだったとしたら...


ネットでの俺をリアルでの俺にしたかった光の犯行だったら...

光だけが傷つくような発言をされたほもしてもらってたのも納得がいく

あたかもそれっぽい理由で黒幕がいたのも納得できる

雪のハッキングも入りやすいのも腑に落ちる...





「なぁ光?」

「なぁに駿くん!」

「これまでの一連の事件ってさ、もしかしてお前が全部動かしてた?」

「.....テヘッ///」


「ひかるぅぅぅう」

「くっそ可愛いから許す...」



【エピローグ】

「今回は協力ありがと生徒会長の向陽くんと、親友の雪?」

「いいえ、親友の頼みなんだから当然でしょ?」

「あとクラスメイトのみんなもありがとね?辛いこと言わせちゃってさ」

「光がこんなに真剣なの珍しいからさ、手伝わないわけにいかないでしょ!」

「みんなありがとねっ!」







光が太陽に照らされながらニコッと笑ったのであった




【完】

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ネットで彼女作ったらクラスメイトだった件 @kanaesuki1227

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