第2話
チャイムが鳴り、荷物を片付けていると二人の女子に声をかけられた。
「あの、、これから授業ありますか?」
「い、いえ.....。ありませんけど......。」
「よかったら一緒にランチでもどうですか?」
「あー、すいません。友達待ってるので......。」
「じゃあ、お友達も一緒にどうですか?」
「あー、、」
どうしよう、困ったな......。悠は喜ぶだろうが、俺は正直言って女にトラウマがある。
「ちょっと、困ってるからもうやめとこ」
「えー」
「すみません。誘ってくれてありがとうございます。じゃあ、急いでるので、これで。」
「あっ、、、。」
急いではないが教室から早く出るため走った。
「はぁ~。うまくかわせてよかった~。」
こういったことは昔からよくあった。悠が言うには、悠の姉がはまっているk
-popアイドルの一人によく似ているらしい。俺はこの顔のせいで昔、悠を傷つけたことがあるので嫌いだ。あいつは気にするなと言っていたが、その出来事のせいで俺にトラウマを植え付け、女が苦手になってしまった。
「てか、ここどこ?」
気づかないうちに来たことのない広場のような所にいた。
「良い所だな~。人もいないし、悠が来るまで時間もあるし、絵でも描こうかな。」
広場を見渡すとベンチのようなものが見えたので、そこに座って描き始めようと近づいた。
「えっ、人?」
そこにはベンチに横になって寝ている人がいた。
「うっ、......っうっ、、、、。」
「うなされてる?えっ、もしかしてこれ起こしたほうがいいやつ?」
「っ......、うっ......。」
「あのー、大丈夫ですか?あの!」
声をかけながら揺すっていると、急に起き上がった。
「うわっ!」
「はぁ、はぁ......っ。」
「あの、....大丈夫ですか?」
寝起きだからのか、ぼーっとしてゆっくりと俺の顔を見た。その瞬間息をのんだ。綺麗な顔立ちをしているのに、死人のように感情が喪失したような表情で涙を流していた。
雨上がり グミ @km1108
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