第一章 出会い

第1話

4月。憧れの大学生活、一人暮らし。

入学式も終わり、今日から本格的にそれらが始まることに俺はウキウキしていた。


彩雄あお~!おい!平川彩雄ひらかわあおさん!」

「なんだよゆう。うるさい」

「相変わらず冷たいですなぁ~」

「で、なんか用があるわけ?これから授業あるから手短に」

「あ!そうそう、お前サークルとか入るの?」

「いや、特に気になるのとか無いし」

「じゃあ美術サークルとかは?彩雄、絵上手いじゃん。てか、絵に限らず大体のことできるじゃん!もったいない!」

「いや、バイトしたいし。絵なんて趣味程度だし。サークルなんてめんどくさいからヤダ。」

「え~。じゃあ一緒にバスケする?」

「ヤダ。俺もう行くから。また昼にな」

「彩雄のけちっ!俺2限目だから、待ってろよ!」

「はいはい」


俺はそう言いながら、授業へ向かった。



チャイムが鳴ると入ってきたのはいかにも大学教授ですみたいなおじさん。最初の授業からなのか教授の自己紹介やこれから何をしていくかという話を永遠としている。

授業しないなら帰りたいが、入学早々目を付けられるわけにもいかない。おとなしく授業を聞いているふりをしながら、どんなバイトをしようかを考えたり、スマホで調べたりしていた。

一通り調べ終わり目星はついた。気づけば授業もあと残り5分。90分も意外と長くないなとか思いながら2限目が終わるまで何をしようか悩んでいたところでチャイムが鳴った。

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