20日目 お題:インフレ

物語をインフレさせましょう。

https://kakuyomu.jp/works/1177354055192757016/episodes/1177354055439049857


参考古橋秀之『百万光年のちょっと先』5本目『ものまねお化け』。

宇宙にいる何でも物まねしてしまうものまねお化けが様々なものを物まねしていく。

最初はほのぼのと自然のものまねをしていたが、銃器、兵士、地上兵器、宇宙兵器、そこで一息入れて、人間、家族、文明、宇宙とインフレ。

二段階のインフレにくわえて、そこから現実の宇宙ももしかしたら、というオチにつなげているのがきれい。


インフレの分類。

数、規模、深度。

〇〇パンクとかやってみたい。



民謡パンク

歌により振動した空気が一種の回路となり、そこに何らかの力が通ることで、様々な現象を引き起こし、それが一般的に利用されるようになった世界。

人類がまだ穴倉で生活していたころ、ひとりの男が遠吠えをしていてたまたま民謡術式を発見、それによって狩りを行い、周囲の群れを襲い、グループを広げていき、人類最初の王になる。

ところが部下の一人が圧政に耐えかねて反乱。しかもその反乱グループは民謡による魔法が使えて王を倒した。反乱グループは民謡をほかの市民にも伝え、世の中は基本的に民謡の才能で上下が決まる世界になった。

それから時代が下って、ある学者が民謡の仕組みを解明。歌によって空気が振動し、空気に溝ができる、そこに何らかの力が流れることで様々な現象を引き起こすことができる。そこである学者は、民謡の才能はなかったが、民謡を歌う機械を発明。水力民謡、風力民謡、さらに火力民謡。これによって民謡の規模が拡大、個々人の民謡の才能ではなく、経済規模などが重要になってくる。その結果大国同士での戦争が勃発、民謡兵器が様々に投入され、同時に民謡の天才たちも前線に送られたが、民謡の天才たちはどんどん死んでしまい、人命尊重の側面から人力民謡の兵器転用は禁止され、ますます機械民謡が発達。

最終的にはさらなるエネルギーを求めて民謡による宇宙進出が開始。このころには民謡もかなり最適化され、低く遠くまで響く民謡となった。民謡の星の民にはこの周波数は聞こえなかった。宇宙は空気がないため民謡の改造にかなり難儀したが、宇宙船内での反響を計算に入れることで、むしろ大気中よりも強力な民謡になることが判明。宇宙船のエンジンは二重構造になっていて、大気のない燃料室と大気のある反響室、反響室での民謡でエネルギーの流れを調整し、燃料室内の燃料を的確に燃焼させていくというもの。

民謡ロケットは機械民謡による性能だけでなく、クルーにも民謡の天才が集められ、宇宙進出はどんどん進んでいった。あるひ民謡ロケットが、生物のいる惑星に到着。機械民謡を調節して周りに見えないようにした。ところが民謡の調節をミスってしまい、低く重い周波数の機械民謡が周囲に漏れてしまう。民謡の星の民にはこの周波数は聞こえなかったが、新しく発見した星の高等生物には聞こえていた。この星の高等生物から機械民謡が、アポカリプティックサウンドと呼ばれていることを、民謡の民は知らない。



結果として短い歴史書というか、そういう形になった。

音楽が空気中の溝を作って、一種の回路になって、そこにエネルギーが流れ込むといろんな現象が起こる、というのは一度使ったアイデアだった。今回はそれをSFっぽくするべくスチームパンクの民謡バージョンにしてみた。

インフレに関しては、社会の発展をインフレととらえられるかどうか。むしろ順調な拡大に思える。インフレとするにはちょっと飛躍やアイデアが足りなかったかも。

最後のオチはまぁこんなもんじゃないですか。

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