7日目 お題:愛と義務の葛藤

愛と義務の葛藤を描いて、サスペンスを盛り上げましょう。

https://kakuyomu.jp/works/1177354055192757016/episodes/1177354055272938358


要は、続きが気になるように書いていきましょう、ということです。


コツは、登場人物の意図を明確にし、読者にその先の困難を予測させる、困難の予測にはタイムリミットなどが有効、それらを組み合わせてうまくサスペンスを強度の順番に並べていく、場合によっては緊張度合いの上げ下げも意識、とのことです。


ただこのお題にしても、どれだけ続きを気にしてもらえたかは明確にしづらいところがあるので、愛と義務を葛藤させることに注力しました。


最初に思い立った筋は非常にシンプルなもの。

いきりの御曹司主人公が、公爵令嬢との婚約をとるか、町娘との恋愛をとるか。実は公爵令嬢と町娘は同一人物で、いきり御曹司が真実の愛に目覚めて一生懸命働いてくれるのなら結婚をしてもいい、と公爵と公爵令嬢は考えていた。結局いきり御曹司は心を入れ替えて町娘をとり、その結果、富を得る。

ただ、なんだか童話感が強くてボツ。

逆にするのもなんだかすっきりしなくてボツ。


ということで、主人公に二者択一を迫る、などを考えた結果、

本編を思いつきました。


化学汚染ですべての人間が防護スーツを着込まないと生きていけない世界。

それでもわずかながら、防護スーツなしで生きていける人間も存在していた。

服アリとフクナシ。

フクナシは体に毒素をため込んでおり社会に悪影響を及ぼすとして迫害されていた。フクアリはフクナシを見つけると当局に報告するのが義務とされていた。

そんなある日、フクアリの子供がフクナシの子供と遭遇、ふたりは友情を結んでいく。ところが、その交流がばれてしまい、大人たちからフクナシが殺されることに。フクアリの子供は、愛を選んで彼女と一緒に死ぬか、それとも義務を選んで見殺しにするか。

結局フクアリの子は、フクナシの子をだまして防護スーツを着させ、そこに大人たちが着て、フクアリが殺され、フクナシが生き残ってしまう。

フクナシは、フクアリへの愛を、大人たちへの復讐という義務に変えた。


最後の流れが本編で若干変わりました。

スムーズな流れ、かつ愛と義務の葛藤を考えるなら、

主人公に愛を選ばせ、その結果ちょっとした報酬をゲット、しかしそこで……、

という形がいいかな、と。

ふたりが仲良くなるきっかけはアドリブ。

ふたりが仲良くなっていく過程も、ふたりの違いを強調しながら書けたらいいかなぁと。それがうまい具合に、主人公が愛を選ぶ理由になってくれました。


7400字とそこそこの字数になりましたが、比較的早く書きあがり、たぶん時速4000字に迫っていたと思います。これくらいで書けたらいいんですがね。

スーツもいろいろなメタファーとして(わたしの想定を超えて)働いていたみたいなので、納得度は高いです。


お題に関しては、まぁお題ありきなのでかなり愛と義務の言及を増やしていました。

そのおかげで書き出しや、ちょっとした描写にもいかせたので、メタレベルの言及もこれから覚えたいです。


ちなみに、

シェロはスペイン語で空、マールはスペイン語で海のマルからとりました。

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