第6話






階層が強く残る国、ミオラバ。



魔法を使える極少数の人間が支配し、その尊い力を残すべく力無き者が利用される。富を生むために貧困が広がり、国の一部は見るに堪えないスラムとなった。



荒廃した土地には派手な娼館が立ち並び、飢えた人間がモノのように転がり虫がたかる。



教養がない者たちは自らの環境を変えるための学もなく死をただただ待つばかり。金がある者たちはそれを可笑しそうに笑うだけ。



凝り固まった国の形は小さなことでは崩れないほど絶対的なものだった。



見捨てられた土地には希望はない。ただ反吐が出るほどの理不尽と不条理が転がる。いつ死ぬかもわからない、いつか狂い死ぬ未来に怯えることすら忘れ人々は暮らす。



この国は壊れていた。






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M to chaîne 白綾 @myi4573

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