リセマラエスケープ!

安原 ハル

第1話レッツ、リセマラの旅~♪(半ば強制的に)

今の私の生活を一言で表すと、つまらないである。

失礼、まだ私が誰なのか話していなかったね。私は東雲 楓しののめ かえで、一人暮らしをしているごく普通の18歳だ。

私は毎日平穏な日々を過ごしているが、現在とても深刻な悩みがある。聞いてくれるよね、ね?(圧)聞いてくれるんだ、ありがとう。現在直面している悩みはーー

「…はぁ、毎日つまらないなぁ。」

私はベッドの上で寝転がりながら、こう呟いた。

私は現在一人暮らしをしている。このご時勢はいろんな意味で危ないから、女性の一人暮らしはあまりおススメしないと思う。それでも一人暮らしをしているのは、実家は居心地があまり良くないからだ。私は学生時代はそこそこ頭が良く両親に邪険に扱われる事は無かったが、一番問題だったのは、私の兄である光一である。あのクソ兄、いつも"自分は有能"アピールがウザいし、周りに私sage自分ageして話しているせいで、私がバカ扱いされる。他にも色々あるけど、アイツクソ兄は私を自分の思うように動かそうとする事が一番腹立つ。思い通りにいかないと、「楓は本当にダメだな。」「こんな調子じゃ結婚できそうにないから、特訓として毎日家事をサボらずにやってね。楓の将来を思っての事だから、文句は無しだよ。」「楓は俺がいないと何もできないから、一生離れるのは禁止ね、分かった?返事は?」お前は亭主関白に憧れているのか!?余計なお世話だよ!と実家で暮らしている間ずっと思っていた。

高校卒業した後は小説家になるという夢を叶えるために実家を出て一人暮らしを始めた。両親は最初反対していたが、なんとか説得できた。アイツクソ兄はいつものように家を出てはいけない、自分の言う事に従いなさい、とグチグチ言っていた。"最後だから"と我慢していたが、小説を書くという時間も金も無駄にする。だからそんな馬鹿げた事は今すぐ辞めて。なんて言ったから私の堪忍袋の緒が切れた。「私の夢をバカにするな!!もしそうだとしても、お前みたいな性根が腐りきった亭主関白野郎と比べたら、100倍マシだ!もう二度と私の前に姿を現すな!」と言い、唖然としているクソ兄の顔面を思いっきりぶん殴ってから家を出た。それ以来一度も家に帰っていない。話が脱線し過ぎてしまったから簡潔に言うと、クソ兄に会いたくないから家に一度も帰っていない。無性に寂しい。

一人暮らしを始めてからは、起床する、家事をする、バイトに行く、買い物をする、帰宅する、食事や風呂の準備をする、食事後に片付けをする、寝る、といった日々を過ごしていった。人は毎日同じような事を繰り返していると、段々刺激が無くなり何も感じなくなる。私は今それをすごく実感している。そのせいなのか、小説のネタも全然思いつかない。今私は、いつも通りで面白い事が無かった→小説のネタが思いつかない→いつも通りで面白い事が無かった…、の無限ループに陥っている。

「…はぁ、マジでつまらない。バイト先に新しい人が来たり、帰り道にスイーツ店がオープンしてたら少しはわくわくするのに、そんな事全く無いからなぁ。神様、どうか私にいろんな世界を行ったり来たりできる、そんな素敵な能力をくーださい!…なーんて、そんな事起こるわk『?別に問題ないけど。はい、これで今からリセマラすると他の世界に行けるようになったよ。リセマラといっても死ぬ訳じゃないから。じゃあ、さっそく行ってらっしゃーい。』…え?」

次の瞬間、私は光に包まれ、何も見えなくなった。

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