僕はみんなにゲームをして欲しい

ぐりもわーる

僕はゲーマーだった。僕はゲームが大好きだった。

これを読んでくれる人達に聞きたいゲームをしたことがあるかい?

もちろんゲームという単語に惹かれたからこれを読んでくれるのだろうけど

じゃあ君の総プレイ時間生涯ゲームを触っていた時間はどれくらいだろう。どれくらいの時間をゲームに注いだのだろう。

ゲームの総プレイ時間が10時間以下の人は本当にすごいと思う。

だってそれだけ別のことに打ち込んだって事であり娯楽をこよなく排除したとてもストイックな生活なのだろう。

僕?総プレイ時間10万時間はあるんじゃないかな?もしくはそれ以上かもしれない。

ぶっ通しで24時間ゲームをしていたり、ゲームのために2徹したり、朝から晩まで友達とゲームばかりだった。

学校中で1番パズ虎のRankが高かったり、世界大会運営サイトESLに選手として出たこともある。

今では小さな誇りとなって前を向ける。

でも人間誰しもきっとゲーム離れがある。

親に取り上げられたとか、ゲームを嫌いになったり時間的な余裕がなくて触らなくなったり色々な理由だ。

僕も高校生入りちょっとずつ自分に余裕がなくなりゲームをやめようと決心した事があった。

辞めた時自分の手の中に何も無い事に絶望した。

みんな、みんな、当たり前のように部活と勉強とゲームを両立して頑張っていたんだ。

他の人は他のゲーマーは器用に生きていたんだって、やめた時に絶望した。

僕にはなんもないんだって

みんなの話題が荒野光動だったりグラセブだっりする時僕は楽しく話せた。

だけど、ふとティックトックの話題だったりYouTuberの話題だったりすると何となく誤魔化して、「へーそれ見てないわ」とか「あーあれね」ってやってた。

ゲームしかしてない自分にめっちゃくちゃ腹が立った。

なんで器用に生きれないんだって、色んなことを始めたけど全然足りない。

何をやっても満足しない。

ただ焦燥に駆られた。焦りだけが過ぎていった。

他の人と同じくらい誇れるゲーム以外のものを見つけなくちゃとゲームのために買ったパソコンやタブレットを使い出来そうなことをしていった。

動画編集だったりYouTuberだったり写真を撮ったりお絵描きだったり執筆だったりモデリングやプログラミングだったり…

でも何か足りなかった。

小さな事でイラついて自分に当り散らした。

壁を殴ったり、頭をうちつけたり、自分で自分の顔を殴って平手打ちをして

無力で何一つ足りない自分を恨んで悔やんで泣いて泣いて泣いて

落ち着いた時ふと思ったんだ。

「ゲームってそんなにガチでやれてたか?結果は何か出たのか」

確かに世界大会には出た。だが入れ替わりの激しいチームでの数回の出場だ。チームの初黒星は僕がいたがポイントではチーム内で3位チーム内戦でも3位微妙だった。

しかも僕らのチームは優勝したことがなかった。

動画投稿もしていた。ゲームのclipと呼ばれる自分で良いと思ったプレイを集めて動画にする。

ゲーム実況だってした。

チャンネル登録者数2桁の底辺だった。

僕は確かにゲームをしまくった。だけど形に残せるものが何も無かった。

ゲームを娯楽から仕事に繋げるのは本当に難しい。

僕はそんなに当たり前の事を忘れていた。

僕はみんなに本気でゲームをやって欲しい。

そして振り返って何も無いと絶望した時、落ち着いて前を向いて欲しい。

何も無いけど周りも大したことをしていないんだ。

高校を卒業した時わかったんだ。

「あいつらは自慢げに趣味や部活を語っていたが所詮は遊びで仕事は全く違うことをしている」

って、ゲームをしようが部活をしようが大切な事は学べる。

本気でやる事、続ける事。

チームメイトを大切にする事、よく話すこと、必要な事を聞くこと、リーダーを尊敬する事、自己鍛錬を忘れないこと、動くべき時に動き待つべき時に待つ事。

そしてチームで楽しみ笑い、時に本気で怒鳴り合い、泣いてみること。

もう1つ辞めるべき時が来た時素直に手放すこと

なんてカッコつけたけど僕は足を引っ張られた。久々にチームメイトから誘われると一目散にゲーマーの日々に戻りたくなる。

だけど、「ごめんね、僕にはするべきことがある。それは仕事だけど仕事じゃない、そんな感じだ」

って断るんだ。

僕は何度もゲームに戻りその度ボコボコに自分を責めてぶん殴った。

顔を殴りすぎて右でものを噛めなくなったりした。

落ち着いてみると手がずっと傷んだ、血が出て絶え間なくジーンと痛みが響いた。

そうならないで欲しい。


僕は今自分を責めていない。

やっぱりたまにゲームに戻る時もある。

やらなくちゃならないことの中やっちゃう時もあるけど。

それでも満足している、過去の自分によくやったと褒めてあげれる。

褒めた後、ゲームに当てたと同じくらいの熱量をやりたいことにぶつける。

今度こそやめないように、仕事とし続けれるように、しっかりと手に残るように、振り返った時何も無いと絶望しないように

振り返った時笑えるように

頑張ったなって自分を褒めれるように

自分の頭を撫でれるように。喜びをかみ締め手を高く掲げられるように

10万時間かもっとそれ以上、世界大会に出れるくらい、学校中で日本中で世界中で1番やり込むくらい

夢を追いかけたい。

夢をおって欲しい。

ゲームを続けて欲しい。

ゲームを楽しんで欲しい。

ゲーマーになって欲しい。

僕は今後悔をしていない。あの時、あの学生時代ゲームを頑張ってよかった。

今はゲームを誇れる。

僕はみんなにゲームをして欲しい。

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