第621話 二人追加してこれで5人か
「それでその時に
「楽しそうだったから召喚庁の上で見物をしてたよ。でも
「その時点で俺の事は見えてなかったのか?」
「全知はそんなに万能じゃないよ。見え方もいい加減だしね。未来が映像の様に見えると思っていのなら残念賞。“見る”っていうのも分かりやすいから使っているけど、実際にはただ可能性を“知る”スキルと考えて貰って良いかな。そしてそれを元に構築するの」
「簡単に流したけど、今名前が出た二人は
「だってさー『お前はどっちに付くんだ』なんてベタに聞かれたら、あっちって答えるしかないじゃん」
「アンタだけよ!」
それには賛同する。
そしてその後は聞いた通り、
だから可能な限り今の状況になる様にスキルで構築した。
正しくは、会話や死に方で未来を希望に近づけたといった方が良いか。
ここまでを考えてみれば、当時の彼女は退屈の極致にあったのだろう。
「本体と何度も戦ったんだよな?」
「どうすれば戦えるかは知れたからね。だけど戦っている途中で逃げられる事も理解出来たし」
「どうにか出来なかったのか?」
「無理なものは無理。たとえばねー、どんなに頑張っても、あたしは自力で日本に帰れない。可能な未来が無ければ、このスキルに意味はないんだよ。そして6回目だね、もう届かない事が分かっちゃった。何度やっても無駄。あいつはあたしの本気を受け止めない」
話を聞いた限り、当然だと思う。
スキル無しなら
というより、汎用性が高い。
多分この二人は、俺がクロノス時代の
案外、それより上かもな。
だが単純な戦闘なら、
俺がアイツに勝てたのは、本人が本気ではなかった――というよりも、もうあそこで派手に殺されて楽になろうと思っていた節がある。
本気で万全な体制で挑まれたら、おそらく勝率は万に一つくらいだ。
そして多分、
だが確実に
この3人が何でもありで戦ったら、
だがその
これはもうジャンケンのようなものだな。
「話は分かった。それで、今のお前は俺に何を見る」
「良いね、それ。
「まあ、そうね。多分つぐみとは違うものが見えているけど、
「じゃあ、見えたのは同じだ。よろしくね、本当のクロノス。でもこれからは
そう言ってにっこりと笑った
まあ話中もずっとニコニコしていたけどね。
実際に温厚な性格なのだろうけど、話を聞く限りでは結構サイコパスな所がありそうだ。
槍使いだそうだし、なんとなくの気まぐれで後ろから突かれそうで怖いわ。
その後を話し合った結果、先ずはさっき名前の出た
確かに
とにかくその二人は反乱の時でも
今更の敵対は無いだろう。
そんな訳で、その二人も復活させた。
身長も甘く見積もって156センチって所か。
召喚されてすぐに状況判断を始めたところは、さすがに今更だが実戦慣れしている。
そして
しかし番犬と主人という表現がピッタシくるな。実際に仕えてえいるのは
スキルは”時間差”。
それだけ聞いても分からなかったが、剣撃や自らの動きの残像を作り出すそうだ。
実際の攻撃は、見えている姿よりも先に来るのか後に来るのか、それとも見た目通りなのか分からない。
ようは幻惑系なのだが、それらを見通す
よく仕掛けたものだ。
話を聞く限りそのつもりはなかったようだが、分かりそうなものだ。
続いて蘇生した
ぽっちゃり系といった方がいいか? そんな生易しいものではないが。
どことなく、かつての
こちらも高校生だそうで、
スキルは“増加”。
物などを増やすのではなく、威力の強化がメインだな。今までにも腕力増強や脚力強化も居たし、
比較的多くある戦闘系のスキルだ。
違いとしては、本人はさほど強化されずに攻撃の重みを増やすって感じか。
素手や鈍器なら単純にその威力を。剣や斧なら副産物として切れ味も増えるな。
まあ主にハンマーとモーニングスターを組み合わせた重厚な武器を使っていたそうだ。
二人とも
それで教官組では無かったが、戦闘だけで考えれば教官組に勝るとも劣らないという。
今後は期待させてもらおう。
彼らに関しては
ついでにヨルエナにも付いて行ってもらった。
こちらはこちらで見るとして、あちらも確認して貰わないといけない。
敵意とかそういうのではなく、蘇生が上手くいっているかをね。
「これで死後の反乱に関しての主軸は全員蘇生させたわね。ハッキリ言えば後ろから攻撃されてもおかしくない間柄だから、その辺りはきちんと監視してもらうわ」
「まあ、今の体制を見て貰えばそれは無いだろう」
「そうそう。ないない」
「なら良いけど」
「それで聞こうと思っていたんだが、お前
答えより先にナイフが飛んできた。
それも正確に喉笛を狙って。
刹那の間に左手でガードしたが、見事に掌を貫通したわ。
「レディに向かって何てこと聞くのよ!」
こちらの文句より先に怒られた。
フランソワと
確かに少しデリカシーが足りなかったな。
だが俺じゃなければ死んでいるぞ。
「いや、俺が目覚めた時、かなり仲が良さそうだったからな。ハッキリ言えば男女の仲に見えた。だけど
「そんな事。一応、クロノスは女性をはべらせていないといけないのよ。その位わかるでしょ」
「分かりたくもない」
「えー」
まさか
確かに説得力の欠片も無かったな。
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