第463話 予想すらしていなかった情報だ
こちらの質問に、
「これから話す事は、全てクロノスの計画です。あ、今更ですが
「お前のスキルでどうやって封印するんだ?」
「それは後でお見せしますが、今は聞いてください」
「ああ、そうだな。続けてくれ」
というか、見せるって事は目の前でやるって事じゃないか。場合によっては全力で阻止だぞ。
「その後は
「いや待てストップ。召喚者をコピーできるのか?」
俺が知っている
「今はただの人間と変わりありませんから。ただ当然ながら、召喚者として成長したらコピーは作れません。作ってあったコピーも全部おしゃか。それにコピー自体が成長したら、力に耐えかねて自壊してしまします。この辺りは彼女だからという訳ではないですね」
そう言っていたな。だけど彼女がいつ召喚されたのかは分からないが、俺がクロノスだった時よりも成長していてもおかしくは無いか。
「ですから、あまり成長せんように
なんか聞きたくなくなってきた。
「そうしてダメになったら次のコピーを目覚めさせて、また同じことをするわけです。全部が尽きたら一度解除して再コピー。可能な限り元に戻したくは無いですからね、時間との勝負になります。だからあらかじめ沢山のコピーを作って封印しておくわけですよ。限界までね。あ、封印するのはやっぱり俺です」
当時の
とは言っても、そこからどこまで出来るようになったかは聞いていなかった。興味も無かったしな。
だけどこちらの
「お前のスキルで封印ってのが見えてこないな」
「俺のスキルは“状態変化”ですよ。今更だと思いますが、まだ目覚める前に石化しておくんですよ。正確に言えば金属化ですね。錆びもしませんし、
俺が知っている
こちらに来た時の状態や召喚した神官によってスキルが変わるのか?
いやそれは無い。俺はいつまでたってもハズレスキルで、
あ、そう言えば、いつもスキルの名前を言う時には全員悩んでいたな。スキル自体が変化するのではなく、召喚した神官長がその場で命名するから名前の方が変わるのか。
後は成長の仕方の差だろうな。
「なる程ね。それで、
「精々1か月と少しですね。その位で崩壊します。そうなったら次のコピーを出すわけですが――」
「ストップ。記憶はどうなっているんだ? たまに先輩……いや
「その人たちが誰かは知りませんし、あくまで計画の話です。ただ何度か他の召喚者で試しはしたので、保存やコピーに関しては問題ありませんよ。さっきの件に関しては、
確かにぶっつけ本番などありえないだろうが、頭の痛い話だ。
それにその話が事実なら、俺が出会った
「その計画を立てたのはクロノスだったな、本物の。どういった計画だったんだ?」
煙がすうっと眼前を通過する。
自分が話す――その意思表示だろう。そして実際に――、
「クロノスさんは、ウチらに色々と話してくれましたわ。代々伝わっているという自分の話をですね」
「それは長い話になりそうだな」
「そうですな。細かい事はゆっくり話すとして……と言っても、切り出しところが難しいですなあ」
記憶を整理しているんだろう。
「地球を救うためには、こちらの世界でセバト・ラウルト・イザ・アブロナス・エウ・リーガ・エソクナーヤ・ソフェル・パムス・イグラート・アーシアド・インドオルニード・バングラーク・ゼプ・イナフフ・アーシアド・ラジゥ・エウ・イーガ・スワープ・ハマイ・ラゼント・ワスターワウ・ゴーミス・チークイ・ソバデを倒すしかない。それが、クロノスさんの最終目的であり使命だとおっしゃっておりましたな」
ぐあああ!
コイツ本名を言いやがった。
俺たちは忘れないとはいえ、情報が多くなればなる程に負担がかかる
長くこちらの世界にいれば、それだけでも相当な負荷だ。
そしてこの世界の
例えば兎型のモンスターを斬っても、その中身が普通の哺乳類のような肉なのか、昆虫のような外骨格なのか、中にスライムのような別のモンスターが入っているのか、小さな生物が詰まっているのか……まあ色々だ。
強さも同様で、外見が似ているからと侮ったらとんでもない強敵の可能性だってある。
単純に一言で表せるほど甘くはないんだよ。
極端な話、ぶち1つあるか無いかで雲泥の差があったりするわけだ。
だからその細かな見た目や性質によってちゃんと名前が付いている。だが長い。今のを訳すと“青白いゲル状の姿、多くの怪物を眷族として取り込みその姿は醜悪にしてその力は強力無比。巨大な体からは想像もつかないほどの機敏さに加え、周囲全てを破壊する衝撃波を放つ。更に加えれば取り込んだ眷族の攻撃までも使いこなし、この世界を滅ぼせるほどの凶悪な一体と数えられる”となる。
とてもじゃないが、イチイチそんな名前を呼んではいられないし、記憶に留めたくもない。
だから俺たちは本体とか眷族とか同類とか寄生体とか雑魚とか、とにかく自分たちで通用する名前で呼び合っていたんだ。他の
それをこいつは――いや、まてよ? 俺たちの時と名前が違うぞ?
俺たちが対峙していたやつは、“青白いゲル状の姿。円形の円周に平たい突起を持つ。人より少し大きく浮遊し、幾多の似た怪物を率いて世界を襲う。この世を破壊する三体の一体”が正式名だ。
現地語だとセバト・ラウルト・プレト・イィ・シーシル・ワ・セルボン・ツワ・アリン・ザムムッテ・フォーン・クジャントレン・アブロナス・ブカント・アリンリーオ・エウ・ジャヴァ・ワスターワウ・エウ・ジオーオ・ケマ・ソバデというが、それは忘れてくれて構わない。
しかし、体型や性質がそのまま名前になる事に変わりはない。
変化したのか?
だが、俺が知る限りこの世界に存在して以来、ずっとその名前だ。図鑑にも載っているし、誰もがその名を知っていた。
最初から違うってのは考えられない。もし変化したとしたら、僅か数十年……長くても百年程度。
早すぎる。当然理由があるのだろうが、それよりも――、
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