第431話 とにかく磯野と合流しよう
その間に、
フランソワ達には細かな話はしていなかったが、こうなったら彼女らの知識は絶対に必要になるかもしれなかったからな。
そんな訳で、地球の事も話した。そして今こそが、そのスタートラインである可能性が高い事も。
当然ながら、四人それぞれ驚きと呆れ、そしてどう対処すべきかの思慮にふける事となった。
こうして見つかるはずもない答えを探している内に、何人かの召喚者チームを経由してようやく
さすがに戻るまでは待っていられないからな。
それと、地上に戻って来た召喚者は全員待機するように伝言を頼み、軍務庁にも今まで出土した最高級の武具を用意するように頼んでおいた。
こうして俺は、
目的地は
懐かしいな……ここはかつて
セーフゾーンの中身は大変動でも変化しない。相変わらず、歩くと砂鉄交じりの砂がじゃりじゃりと音を立てる。
あの時、この微かな音に気が付いていればなと思うが今更の話だ。
ただ以前と比べ、多少発展具合が良い。
これも召喚者があまり死ななくなった分、こんな遠くの町でも利用する人間が増えたからだ。
それに現地人との積極的な交流によって、軽い物資なら
おかげで同じセーフゾーンでありながら、あちらこちらに街灯が立ち、建物も人口も多い。
当時のうらぶれたスラム街っぽさは欠片も残っていないな。
待ち合わせ場所は、町にある宿の一つ。
まあ宿と言っても、完全な一軒家だ。普段は倉庫だったり持ち主の親族が暮らしているが、召喚者が来ると貸し出す仕組みだ。
当然
当時とは、本当に様変わりしたものだ。この町だけでなく、社会全体が。
だがそれも、これから破壊されようとしている。
こうしてその場所に到着したのだが、ちょっとだけ驚いた。
セーフゾーンの構造が同じなのだから、ある程度住居の場所が同じになるのはある意味当たり前――ではあるが、外見も中身も違うがあの時と同じ場所じゃないか。
何となく、隣にひたちさんとセポナがいる気がして無性に寂しくなってしまったよ。
「お待ちしていましたよ。とにかく緊急事態だとしか聞いていませんので、一体何ごとなんですか」
入ってすぐに、
まあそりゃ分かるよ。彼らに頼んだ作業は決して簡単な作業じゃない。
特に
それを全部中断させてきたんだ。ちょっとした話をしに来ただけでは済まない。
だけど、こっちも当然、相応の理由があって来たわけだ。
メンバーは、奴の探索……というより調査を頼んでいる4人。
本当は今は18期生最後の3人が護衛についているが、今は外。聞かれたくないし。
単純な戦闘力は4人の方がずっと上だが、それでも戦闘に特化した召喚者に比べたら話にならない。
そんな戦闘特化の召喚者でも危険があるのがこの
だから一応つけているが、当然4人で対処できない相手に18期生が相手になる訳がない。
だけどまあ数は力とも言うしな。言葉は悪いが、いざという時の保険だ。
けど今はそれよりも――、
「
相変わらずというか背の低さが変わらないのは今更だが、黙っていれば凄く上品な顔立ちや雰囲気の女性だ。
もう少し背が高かったら、ドレスなんかが似合っただろう。
まあ外見だけだけどな。
袖が長すぎて手が隠れるほどのポンチョも相変わらずで、話しかけると子犬の様に良く動いて話す。実際にはかなり活発な子だ。
「ラーセットに現れる2年前くらいまでは確認出来ています。でもこれ以上は、正直今のあたしの力では無理かな」
「十分すぎる。そっちはもう完了と思って良いな」
「本当ですか? あー、なんか嬉しいです」
「ああ。俺の予想があっていればの話ではあるがね」
「それで何があったんですか? それを最初に説明してくださいよ」
仕方がないとはいえ、無理をさせ過ぎた。だけど今はそうも言ってはいられない。
「いきなり本題から入っても良かったんだが、俺に呼び出されて少し不安だっただろう?」
「ま、まあそれは……」
「だからそうじゃない所から話して緊張をほぐしたかったんだよ。だけどまあ良い。本題に入ろう。奴が遂に召喚の力を手に入れた可能性が出てきた」
「……意味が分かりません」
「え? どういう事ですか?」
「その辺りの話は聞いていないんですけども」
一斉にツッコミが入るが、まあ当然だろうな。
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