第380話 ダークネスさんも謎の人だな
じりじりと迫って来るが、今ここで
大体、話しはまだ途中だ。
「まあとにかく落ち着け。実はお前が
「なんだよ」
「記憶が無かった事もあって、俺が付けたあの傷を元に
「……」
――あ、こいつマジで考えやがった。名乗る気でいたな!?
「とにかく、あのダークネスとかいうブリキ野郎は、俺ではなかった可能性もあるのか。だんだん頭がこんがらがってきたな。まあいい、考えるのはお前に任せる」
「丸投げかよ。まあいいや。話を元に戻すとしよう。俺なりに調べもしたが、当時の体制や召喚者の扱いなんかは聞いたり読んだりした知識しかないからな」
そんな簡単に後回しにしていい話でもないとは思うが、考える材料すらないのだから仕方がない。
「その辺りの事は、克明に全てを覚えている。良いだろう、全部教えてやろう」
相変わらず尊大だなー。
とにかく、俺はそのまま当時の
基本はやはり
理由は
「まあ前リーダーと
「話の流れからしてそうだと思ったよ。理由は聞くまでも無いから言わなくていいや。ただ、どうしてその後にお前がリーダーになったんだ? 他にも先輩がいただろう」
「これを機にチームを分裂させようって話の流れに持って行ったんだ。当然、瑞樹は俺の方にな。ただそれに何人かが反対した。俺としては手を切りたかったが、同じ高校の
その後は地上の警戒任務の傍らで
当時の教官は新人の教育以外は基本的に外で待機していたそうなので、全員が暇。
そんな訳で、教えてもらう時間は十分に取れたという事だった。
「ちょっと待った。じゃあ教官組全員に会った事があるのか?」
「俺は基本的に
「他の教官は?」
「一応全員見ているが、特別話をするような関係じゃなかった。知っていると思うが、残りは
「我ながら情けない話だけどな。それで、当時の教官と今の教官で変わりは無いか?」
「違い過ぎて説明が難しいな。こちらにいる教官は皆ひよっこだ。
確かに、
戦っている時は、本当に生き生きとしていたけどな。
その一方で、今の
性格は慎重そのもので、絶対にギャンブルには手を出さないそうだ。
アレでスキルが同じじゃなかったら別人かと疑うところだ。
今は
まああの二人が一緒なら、死にはしないだろう。尻は保証しないがな。
「それと、フランソワ教官は熱烈なクロノス信者だ。詳しい事は知らんし、どうしてフランソワと名乗っていたのかも知らん。今はどうなんだ? そんな兆候はあるのか?」
「最近なんだか、微妙にそんな兆候があった様な無かったような……」
「ハッキリしない奴だな。死人はともかく、残るは
「今は男の娘だが、当時は違ったのか? ムキムキだったとか、本当に女の子だったとか」
「その辺りは判別すら出来んな。何せ、いつも紫の布で全身をミイラの様に覆っていた。体格も今とは違う感じがするな。もっと背が高かった気がする」
俺たちの時間はここには無く、日本にある。だからここでは時間が経過しないし、当然成長もしない。そういった意味では育ったって線は無い。
ただ別の線も色々と考えられる。
粗悪な薬を使った事で肉体に変貌があったとか、
「まあ彼はフランソワと同じように、色々と迷宮産のアイテムいじりが好きなようだ。案外、それは遠隔操作の人形かもしれんな」
「そうかもな。まあ、それはどうでも良い事か。同じ事になるかは分からないが、実害が無い以上は様子を見守ればいいだけの話だ」
残る
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