第371話 この二人で改造したのか
部屋中の視線が一斉に集中する。
「フランソワ? わたしですか?」
しまったねこれは。どう言い訳をしよう。
「なになに? たまちっちってフランソワって呼ばれているの?」
「詳しくお姉さんたちに教えなさいよ。どんな関係? どんなプレイ?」
ほら見ろ、早くも肉食獣二人が食いついた。つかたまちっちって何だ。
しかし当然、この時代に
ここは
取り合えず目で訴える。
「何処で抱いた女性か知らないけど、
どうしてこういう時だけポンコツなんだよ!
ただ流石にこれは今ここで事情を説明するって訳にも行かないからな。
俺が出戻りだって事を知っているのは、ここでは
と、とにかく今は――、
「何処かで抱いた女性とかではないよ。昔そんな名前の子に会っていてね。
「
「他の人は名字で呼ぶのに、
ひーとーつーばーしー!
くそっ、慌ててしまって他の連中の呼び方に釣られてしまった。
言い訳をしようとしたが、なんか
「う、噂は聞いています。その――わたしに――あの……」
「まあ待て。その話は後にしよう。話を戻す!」
更に何かを言おうとした
「とにかく、今はまだ奴の情報の一端を知っただけだ。今戦っても、例え負けなくとも勝つことは出来ないだろう。まだまだ情報が必要だ。だが幸い、奴が過去に戻れば俺が分かる。無理な危険を冒す必要はないが、奴の探索などは引き続き行う。どんな小さな痕跡でも違和感でも、とにかく何でも伝えるんだ。そしていつか必ず倒す。いや、倒す事は出来ているんだ。絶対に根絶させよう」
「その辺りはちゃんと了解しているわ」
「あたしらもちゃんと調査はしているよ。とは言ってもね」
「私らは戦闘には参加できないよ。6期の
まあ13期は全員新人だったが、肉食コンビも考えてみれば教官として新人を引き連れる立場だ。
むしろそう考えてくれた方が有難いか。
「クロノス様と、あの冗談みたい強いっていう
「さっきも言ったが、今は難しいな。倒す事は出来ても、過去に逃げられるたびに遠くに離れる事になる。例えば今後何処かで戦って倒したとしても、今この状態まで戻されたら探す事は不可能だからね。だけど諦めるつもりはない。まあ見ていてくれ。考えはあるんだ」
「クロノス様なら絶対に出来ます! 期待しています! あの、それとわたしの事は今後もフランソワと呼んでください! 何かこう、体に電気が走った様な気がしたんです!」
いきなり
でもまあ、気に入ってくれたのなら良かったよ。
さて、これで持ちらの件は一段落だ。
次はこちらが報告を聞く番だな。
「さて質問なのだが、
「ああ、それの事」
「あれはけんちっちとたまちっちがいじったんだよね」
――誰だよ。
いや、分かるんだけどね。
「というかもうたまちっちじゃなくてフランソワっちかな」
わざわざちを付ける必要はないだろう……。
まあそんな事より――、
「二人があれに手を加えたのか?」
言った人間が
これでどうしてこのメンバーが集まっていたのか分かったよ。
向こうも説明の必要があると思っていたわけだ。
「はい。スキルを使っている内に、頭の中で声が聞こえるような気がしたんです」
「そこで、ここ1年位色々といじりました」
よくクナーユが許可したものだと思うが、まあ召喚者が言い出したら逆らえないか。
しかしアレだな。もともとフランソワは脳筋と思いきや、実は発明家だったことは火薬や電気自動車で知った。
それに加えて、
ひたちさんから教官組の事に関しては多少聞いていたが、その時から謎の人物ではあった。
もっとも、あの時代は召喚者同士の殺し合いが半ば公然と行われていた。
だから教官組の事も詳細は分からなかったんだけどな。
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