第359話 あいつも確か教官組だったな
新しい神官長はクナーユ・ニー・アディン。ミーネルと妹のシェマンはスー・アディンだったから、ミドルネームが違うんだな。
シェマンがミーネルから引き継いだのは22歳の時だったが、クーナルは20歳。
以前セポナに聞いた話だと、この世界の義務教育は19歳。その後はそれぞれの進路に進むそうだ。
まあ神殿関係者は教育課程以外にもずっと神殿で教育を受けるが、それでも新人も新人。
別の人はいないのだろうかとも思うが、神殿庁のトップは基本的に血縁と神の力の代行者としての資質で決まるらしい。
まあ“神の代行者としての資質”という点に関しては信心深くない俺にとっては眉唾だが実際に何か力のようなものを感じるのは事実だ。特に神殿関係者の高位者には顕著に表れている。
スキルとは違うが、あれもまた能力なのだろう。
神殿庁のトップは血縁関係に左右されるそうだが、あの力の関係なのだろうな。
実際に普通の人間が同じ事をしても、召喚も出来なきゃ制御アイテムも出せないわけだしね。
ちなみに彼女は若い頃から豊満だったシェマンと違ってスレンダー体型。
身長は165センチと低くはないが、バストは多分71……いや、71.5程度か。
髪は濃い緑のロングを後ろで3か所リボンで束ねた独特の髪型をしている。
顔立ちは美人と言って良いのだろうが、どこかまだ幼さが残る感じか。
服装は、白いビキニの様な衣装に左右しか無いスカート。ただ首から前後に金装飾が成された布を下げているので、下はしっかりと隠れている。
ただ脇がもろ空きな分、平坦さが強調されているな。
さてそれはともかく、今回も召喚する数は15人。
教官が増えたのだからまた20人にしようと思ったが、行方不明者を外しても現在33人なわけなので、いきなり溢れる計算になる。
もう実際にミーネルの時に数の件は知られているが、いきなり実体験させるのも酷だからね。
そして儀式は成功し、新たに第15期生15人の召喚者が加わった。
教官が増えた分、彼らには今まで以上にしっかりとした研修が行われるわけだ。頼むから、ちゃんと生き残ってくれよ。
それを見てから出発しようと思ったが、一応は責任者だからね。彼らが出発するまでは見届ける事にした。
こうしてスキル取得後のパーティーにひっそりと参加したのだが、そこで行われた自己紹介で気になる名前を聞いてしまった。
その名は
それにしても……、
染めたのであろう青く長い髪。白とピンクの百合をあしらった可愛らしいロングのワンピース。
少し丸みを帯びた童顔に大きな瞳、そしてふっくらとした唇。
身長は150センチにギリギリ満たないか。
自己紹介の時は、澄んだ鈴のような、よく響く声が特徴的だった。
傍から見れば、コスプレ趣味がありそうな美少女と言ったと事だろう。
ただ彼等15期生は筑波橋東第三高校出身者と言うから、彼はちゃんとした高校生だ。
そう、高校生というよりも彼――男。男の娘と呼ぶべきか。
早速
強く生きろよ……。
というか、会った事も無かったから彼の事は何も知らない。
クナーユの見立てでは、スキルが“腐敗”ってだけ程度だな。今のところは木製品程度だが、成長すれば金属も対象に出来そうだ。
後は非常におとなしい性格だが、どこか怪しい雰囲気を感じるってところだな。
前の時代では、教官組でどのような仕事をしていたのやら。
本当は
何せ今はまだまん丸いボディとはいえ、あいつイコール
そしてその名前の由来は俺との戦闘である。
更に言えば、先輩は
うん、殺される。
危険な目に合う前に、さっさとお暇する事にしよう。
こうして俺はラーセットを旅立った。
たとえ俺が戻らなくとも、35人以下になった時点で新たに召喚するように言ってある。
但し、
そして同時に、地上に戻った時点で35人以下となっていたら、地上勤務をしながら再召喚まで待機と教官組にも伝えておいた。
入れ替わり立ち替わりで3組揃わないので、召喚が出来ませんってのは勘弁してほしいからな。
ちなみに、こちらはこちらで
彼女のチームはもう
他にも地上よりも
そして
もうちょっと慎みをとも思うが、お前が言うなと言われるのが分かっているので何も言えない。
まあ、何とかやってくれるだろう。
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