第358話 あの子供だったシェマンがねぇ
実力は申し分ないし、人気も高い。
ただ他のイケメンがいるチームに入っては食い散らかすのがちょっと難と言えば難か。
二人とも、ビキニのようなブラにホットパンツ、そしてサスペンダーを身に着けている。
ブーツはスパイク付きの金属製ってところは
それを言うと他のメンツも似たようなものなので言わないが。
しかも恐ろしい事に、あの衣装は迷宮産。何がどうなるとああいった物が出土するのかいまだに謎である。
常に獲物を狙う肉食獣の空気を発しているが、美人で巨乳。お世話になりたい男は多いらしい。
スキルは“慧眼”。
最初の内は相手の強さの度合いや考える事が読める程度だったが、最近ではシェマンがスキルを確認する前に召喚者のスキルが分かるという。
大したものだが、俺や
その辺は召喚者同士ではスキルが効きづらい事が関係しているのだろう。
もう一人の
長い黒髪を細いツインテールにしており、目はクリクリしていて大きな二重。全体的に童顔で、見た目よりも若く見える。
いわゆる守ってあげたくなる系の女子だが、中身は
あ、余談だがこいつも巨乳。
スキルは“増幅”で、他の召喚者のスキルを強化する。
ただこれまた召喚者の宿命か、俺を強化することは出来ない。こちらは効かないというより、彼女のスキルより俺の方が勝ってしまっているからだな。
逆に新人のスキルはかなり強く出来る。そんな訳で、新人に自信を持たせるにはうってつけの人材と言う訳だ。
男にしてもらえるしな。
さて、こうして新たな教官組は決まった。
改めて説明すると、7期生からは
生き残っている9期生は全員教官組とし、
それに
これに
ただ俺がまだ
彼らには新人を導いてもらうが、そのままチームを組んでリーダーとなっても構わないと言ってある。
それに加えて、逆に地上で何かをしたい場合は
ただ、地球の事は新たな教官組には話していない。死んだらどうなるかも話さないといけないから大変なんだ。秘密を知る者がいてくれた方が精神的に楽だが、同時に少ない方が良いのもまた真理。
これに関しては、もう少し性格や働きを見て決めるとしよう。
だがまあこれで支度は整った。
現在残っている召喚者は、俺を含めて33人。正確には生死不明が3人いるけど……無駄な希望は持たない方が良いな。
なかなか数が増えないし、何より12期生の生存者が3人、13期生は5人、14期生も5人だけだ。
心のケアをしっかりしないと長くこの世界に留まるのは危険とはいえ、新人がこうも育たないのではベテランも帰れない。
一応はそのために教官組を増やしたのだから、今後はもう少し順調になるだろう。
ならないとマジでお手上げなんですけどね。
まあ色々あって予定日は変わったが、準備自体はしっかりと出来ている。
次の召喚を見届けた後、俺はしばらく黒竜探しの旅だ。
奴も見つけたいところだが、多分見つけても無駄だろうな。
まだ倒す為のピースが揃っていない。それが揃った時こそ、この世からあいつを消滅させる時だ。
奴の言葉ではないが、俺もまた奴の存在をこの世から抹消してやりたいのだからな。
……なんて考えていたのに、ここでシェマンが産休に入ったとの知らせが来た。
間が悪いとか思う前に、素直に喜んだよ。予定はまた変わってしまったが、この位は幾らでも修正可能だ。
新しい神官長はシェマンのいとこだそうで、3か月後には出来るだろうという事だ。
今はミーネルが教育している。
まあシェマンももう24歳だ。いつかはこんな日がくるとは思っていたけど、ちょっと寂しいものだな。
ミーネルの時も思ったが、何度も肌を合わせた女性が結婚して子供を産む姿を見るのは寂しいものがある。
本当に、召喚者はこの世界の時から切り離された存在なんだなと実感してしまうのだから。
そういや俺がこの世界に召喚されてから12年か……いや、これ以上は深く考えない方が良いだろう。
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