第307話 あの子と戦うのか
急遽集められた教官組は、
幸い、全員連絡が付く範囲にはいたんだよ。それだけに、胃が痛くなり溜息すら出ない。
下は分からないが、ローブは上を少し開けてあるので胸元がチラチラと見える。
だが今はそんな事を気にしている時ではない。つかいつも似たような格好だしな、今更だ。
身長は168センチと少し小柄だが、横幅は広く、髪はもちろん髭もゴワゴワ。腕や足、胸にも黒い剛毛が生えており、熊を思わせる風貌だ。
そんな外見だが、実は賢く成績はいつも上位。そして運動部に所属した事はないという。
穏やかな性格もあって、教官組の中でもかなり慕われている。
まあ成長はしないので、召喚した時のままだけどな。
身長は152センチ。そして細くて薄い。最初の頃はコンプレックスもあったのかラーセットの高露出衣装に強い拒否感があったが、今では隙間だらけの革紐のようなボンテージを身に着けている。
まあ迷宮産だから、こう見えてそこいらの鎧とは比較にならない程の高性能だけどね。
スキルは空間把握。結構広範囲の状況を瞬時に理解することが出来、風が吹き木の葉が落ちるタイミングまで把握できる。スキルの無い人間から見れば、まるで未来予測だ。
当然それは
教官組は5人。一人はリカーン側についた
高校生だが何処か大人びており、思慮深く面倒見も良い。
今回の教官組は、俺が力だけでなく人格や人気も見て選んだからな。そういった意味では、こう言った事をするような奴ではなかったはずだ。
それに何より問題なのが、アイツが招集に応じられない程
「
嫌な予感を隠せずに聞いてみるが――、
「
これ以上の話は無用とばかりに、
なんかもう詮索できる雰囲気じゃないが、二人でこの世界で頑張って来たんだ。なのに彼女を置いて向こうへ行った……複雑な感情だろう。
しかし彼女は今回の件を知らなかったのだろうか?
聞いてみたいが、俺には聞く勇気がない。ヘタレですまんな。
「現在の範囲で、向こうに付いたのは誰だ? 分かっている範囲で良いから教えてくれ」
「じゃあ、私がやる」
そういったのは
「先ず6期生の
そう言って、少しデフォルメされた
空中から突然現れたかのように見えるが、これは彼女のコピースキルによるものだ。
そっくりそのままに作らなかったのは、スケールを考えたらこちらの方が見やすいからか。
「それに10期生の
俺が高校生だった時に教官組だった男か。プロレスラーの様な恰好をしていたな。
スキルは持久力。成長すれば疲労とは無縁になるだろうが、まだ召喚されてから1ヵ月とちょい。まるで成長していないわけで、いわば赤ん坊みたいなものだ。
……いや、ならなぜ2番目に名前が出た?
かつての教官組は、それはそれで他と違うって事か。
「後は6期生の
コトリと置いたその人形の背後には、更に3人の人形が置かれている。
ああ、その名は聞いたよ。
「それと一緒に同期の
その声は淡々としていたが、それが逆に怖い。
と言うかとっくに人生の先輩になっているのに、同級生以上には”さん”を付ける
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