第308話 かなりの数だが容赦はしない
「それと7期生からは
8期生は中高一貫校で、高校生と中学生が混在している。10人残っているが、テキパキとして決断の早い
それと神妙な顔して沈黙しているが、教官組の
彼女と一緒に召喚された7期生は、全員小浜南中学出身者。当然、名前が出た二人は知り合いどころか身内の様なものだ。
まあ、それを言ったら6期生の
6期生は生存者9人。同じ中江橋商業高校出身で、もうこの世界に来て7年近い付き合いだ。
その内4人。しかも一人は教官組として長く苦楽を共にしてきた奴だしな。
更には教官組トップの片翼、
「それと10期生からは、
その二人は、たしか
しかしこれで――、
「17人か……他は全員分かっているのか?」
「何人かは連絡が取れませんです」
ここでようやく、
普段は苗字そのもののように明るく活発だが、今は見る影もない。本当は休ませてあげたいところだ。
「
「その辺の詳細はわからないか?」
「ハッキリ言ってしまうと、向こうの砦に行ったメンバー以外は全員白かといえば、そんな保証もありません。分かっているのは、今砦にいるのは全員裏切り者だけって事だけです」
はあ……まったく
いや、考えるまでもないな。女の友情より男を選んだってだけの話か。
「なあ、クロノス様よ」
今までは素直に報告を聞いていたが、ずっと何か言いたそうだった。
そろそろ話しの区切りはついたと判断したのだろう。
「
「同期でしかも同じ教官組だ。気持ちは分かるが、状況からして
まあ一人いるがな。
いやまあ砦に行ったというのであれば関与はしているのだろうが、多分だが皆を率いてといった行動はしない。単純に男の元へ行っただけか。
「だからこそ、俺が行って真意を確かめなくっちゃいけないんです。保障は出来ませんが、話だけなら出来ると思うんです。何か要求があるなら、それを聞きたいんだ」
それは純粋な戦闘力だ。
しかし今なら、1キロメートルほどの距離なら全ての範囲を網羅できる。道が繋がっているならという前提は付くので地下は分からないが、埋まって無ければアイテムでも生物でも判別可能。攻略情報を見ながらゲームをするようなものだ。
当たり前だが戦闘では一切役に立たない。
一方で
元々はジャンプ力と速度の強化だったが、今では空気を蹴って飛翔できる。
その空という有利性に加えて目にも止まらぬ変幻自在の動き。そして何より、それを可能とする脚力。
最初に聞いた時に予想はしていたが、立派な戦闘系のスキルだ。
もし交渉にもならず即戦闘になったら、結果は火を見るより明らかだろう。
「却下だ。これは俺が行くべき問題だ。悪いが、全員即座に帰ってもらう。話し合いも無しだ」
「クロノス様!」
「考え直しては頂けないですか?」
まあ当然だな。一緒に召喚されて以来、苦楽を共にした仲だ。話くらいは聞きたいのだろう。なぜこんな事をしたのかを。
それ故に絶対にダメだ。よほどの実力差がない限り、仕掛ける方が圧倒的に有利だ。特にスキル戦はな。
話し合いに行きたい彼らと敵対した連中……結果は考えるまでもない。
全部任せる――そしてその結果は受け入れる。そういう事なのだろう。
彼女は真実を知り、もう何人もの本当の死を看取ってきた仲だからな。
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