第181話 無茶な要求じゃないだろうな
「やあ、久しぶりだね。無事にこうして会えるのは本当に嬉しいよ」
「いえいえ、こちらこそ」
案内されたログハウス。そこに居たのは探究者の村のサブリーダー、
いや本当は“
相変わらず俺よりずっと高い2メートルを超える長身に鋼の筋肉。そして全身には様々な計算式が、ほぼ隙間なく入れ墨として掘られている。
黒目の無い白目だけの瞳に短く切り揃えられた灰色の髪。
年齢は30か40か……俺には見分けがつかない。
だけど本人がいうにはまだ中学生だそうだ。絶対に嘘だと言いたい。
以前もそうだったが、上半身は裸で下はピッチピチの麻ズボン。
お気に入りなのだろうか?
ひたちさんや
まあ
「歓迎しますよ、
「ああ、詳しい事は現地で聞いてくれと言われたよ。お使いってわりには何も持たされなかったから、何かあったんだろう?」
「そうなんですよ。その前に、この場所の事は聞いていますか?」
「ああ、
「半分当たっていますが、半分は外れです。この世界で、最も恐れられている
「いやまあそうだろうが、何処が半分なんだ?」
まさかここを滅ぼしたのが
いやいや、もしそれが居るから退治しろとか言われたら俺は帰るぞ。
「確かに群れですが、本体は1体だけなんですよ。だけど、そいつは人を
「そいつはまた物騒な話だな。だけどラーセットは無事な様だが」
「追い返すことには成功したそうですよ。ただ退治したとは聞いていません」
「まさかと思うが、それを退治しろとか言わないよな?」
思っていたのとは少し違うが、そうなら帰る事に変わりは無い。
俺は無駄な戦いはしない主義なんだ。
「いやいや、それはこの国がどうしてこうなったかの話ですよ。もしそいつがいるなら、僕らもここにはいません。頼みたいのは別の事です」
よくよく考えてみればそうだ。そんな危険な奴がいるのに、のんびりログハウスを作って何かをしているって事は無いだろう。
「この廃墟は現地の人間にとっては何の意味もない場所ですが、僕らの様な召喚者にとっては重要な場所なんです。なにせ、基本的に他の召喚者や現地人に会う事はありませんからね。結構取り放題なんです、色々と」
「あー、なるほど」
となると、俺が以前、出発前に開けた穴はあまり意味が無かったのだろうかと考えてしまう。それはそれで寂しいな。
「村の近くのセーフゾーンからじゃだめなのか?」
我ながら未練がましく聞いてみるが――、
「以前に奥へと繋がる穴を開けてくださった事は知っています。実際にかなり助かりました。ただ少々狭かったので、あらかた調べ尽くしてしまったのですよ。ここはあそこがダメだったりしたときに利用する場所です」
成る程ね。確かに次のセーフゾーンへと繋がる穴を開けただけだった。時間も無かったしな。
そしてあそこがダメならこちらを使うという訳だ。距離を考えれば、確かに村のセーフゾーンを使えるのがベストか。素直に俺の力不足を反省しておこう。
「それで、俺に頼みたい事って言うのは何だ? 穴掘りか?」
「実はセーフゾーンの一つに
つまりは戦闘か。ある意味単純明快だな。それにしても、この見た目で
それにしても
もはやここがゲーム的な世界だという話は吹き飛んでしまったが、
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