第154話 教官同士の戦い
「
「
「逃がさない」
瓦礫から素早く抜けようとした
……そして下のフロアに着地と同時にまた踏んだ。
「痛え! いやマジでやめろ! 俺以外だったら死んでる。即死だぞ!」
「この位やらないと
「おい、
「いや、すみません。その点に関して何も覚えていないんです」
再びフランソワが
「そう、結局ターゲットはいなかったのね」
ようやく落ち着き、下部フロアにある喫茶店へ移動したのは
だが潰されたという表現は正しくはない。持ち前の肉体強化により、しっかり守っていたからだ。
元々
もしあれほどの実力があれば、
「俺は地上に戻った所で、本部からの連絡を受けたんだよ。
「いくつか気になる点があったのでその報告。25年前の事、覚えている?」
「俺達にとっちゃ、25年前もさっきも変わらねえだろ。というかな、まさかとは思うが……」
「ここだったら最悪。だから確かめるために戻った」
「結果は?」
「ここじゃないとしか言えない」
「それなら少しは慰めになるな。まあ対処は上が考えるだろう。案外、もう用意は出来ているのかもな。クロノスはそういう奴だ」
……教官たちの話がさっぱり分からない。だが、世界の問題は
それ以前に、交戦の報告を受けてから俺が奴に敗れるまでの間にあそこまで移動したのか!? とても真似できるものではない。
見た目は普通の人たちなのにな――そう、改めて
フランソワ教官に至っては身長150センチ程度。黒いおかっぱに童顔で、まるで座敷童の様にも見える。
床に無造作に置いてある二本の巨大な剣を見なければの話だが……。
というより今日の服装は乙女チックなゴシックロリータ。別の言い方をすればフリル満載の子供服だが、その点を指摘すれば半殺しどころか99.9パーセント殺し確定だ。
だけど、重要なのはそういった事じゃない。
「教官、教えてください。俺はどうなっていたんですか? それに
「さっき花……フランソワに話した通りだ。俺が到着した時、そこにいたのは
「教官に気が付いて逃げたという可能性は?」
「いや、お前を助けるために一撃ぶち込んでやったから、その時はいたんだ」
バキッと凄い音がして、カフェのテーブルが真っ二つに裂けた。尋常ではない殺気が広がり、現地人たちが腰を抜かし、あるいは悲鳴を上げて逃げ始める。
「さっきの話と違う。もう一度詳しく聞かなきゃだめ。やっぱり
横に無造作に置かれていた巨大な剣が、まるで磁石に吸い寄せられるように両手に収まる。
「わ、わかった。先ずは落ち着け、な?」
響き渡る破壊音と吹き荒れる暴力。そんな中、
アイツは不利となったら迷わず逃げる男だ。だが
そんな奴が
それ以前に、
「教官、教えてください。
顔を上げ教官たちを探した時、そこはもう廃墟のようになった無惨な室内だけが残されていた。
しかもそんな状況なのに、客や従業員の現地人には一人の怪我人もいない。
明確過ぎる自分との実力差。そしてそんな教官から2度も生き延びた
侮っていたわけではない。ただそれでも、何もかもが足りなかった。
そう遠くないうちに奴は来る。意味も無く、こんな近くをうろつきはしない。
とにかく報告、そして警備の強化。やる事は山ほどある。
破壊されたカウンターで会計を済ませると、
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