スーパーパワー! 下書き
渋谷かな
第1話 第3話
「クシュン!」
「ゴホゴホ!」
「アベシ!」
最近地球では風邪が流行っていた。人々は発熱、嗅覚の以上などに苦しめられていた。その風邪は新型ロナ・ウイルスという名前で呼ばれ、全世界を支配しようとしていた。
邪神リサ様のお城。
「よくやった。デビデビ。」
「お褒めのお言葉を頂き恐悦至極です。」
悪魔デビデビは邪神様に褒めてもらいうれしそうだった。
「ダークスーパーパワーでウイルスを全世界に広めて、人間どもが全滅すれば世界は私のものになる。ワッハッハー!」
邪神リサ様は上機嫌だった。
(言えない!? 狂った人間にビビってお漏らししたなんて・・・・・・。)
悪魔は心の奥にしまい込む。
球の部屋の朝。
「ゴホン、ゴホン。」
球は目が覚めて起き上がろうとするとせきをする。
「あれ? 体がフラフラする? どうしてだろう?」
そして顔も赤く熱があって立つこともできなかった。
「大丈夫? タマちゃん。」
「タマちゃん・・・・・・って、呼ばないで・・・・・・。」
天使エルエルは心配するが球にいつものキレはない。
「寝てなさい。タマちゃん。ニュースで新型ロナ・ウイルスって、全世界で流行っているって言ってたわよ。」
「そ、それよ・・・・・・きっと邪神の仕業よ・・・・・・。」
「まさか。ウイルスを使って全世界を支配しようだなんてある訳ないわ。」
あります。意外に鋭い球。
「いいから今日は学校を休んで寝てなさいよ。」
「やった・・・・・・学校を休める・・・・・・。」
嬉しそうだが覇気がない球であった。
「困ったわね。主人公なのに風邪をひいてしまうなんて。」
バカは風邪をひかないという設定が崩れる。
「どうしようかしら? そうだ。私が話していても普通に接してくれるから灯ちゃんの所に行ってみよう。」
天使は灯の元を訪ねることにした。
登校中の灯を見つける天使。
「灯ちゃん。おはよう。」
「あ、エルエルちゃんだ。おはよう。」
天使は灯と合流した。
「すごいわね!? 最近のぬいぐるみは!? これはタマちゃんが遠隔操作しているのかしら?」
「そ、そうね。」
あくまでも灯は天使をぬいぐるみだと思っている。
「灯ちゃんは新型ロナ・ウイルスは大丈夫なの?」
「うん。平気平気。この通りピンピンしているわよ。」
灯はウイルスに強い耐性を持っているみたいだった。
(これだけ流行しているウイルスに感染しないなんて!? もしかしたら灯ちゃんもスーパーパワーを持っているんじゃ!?)
天使は灯にかけてみることにした。
「灯ちゃん、私についてきて。」
「エルエルは私をどこに連れていくのかな? わ~い!」
灯は天使についていくことにした。
高校の化学実験室の前。
「エルエル。ここはどこかな?」
「ここは世界的に流行している新型ロナ・ウイルスの発生源よ!」
「ええー!? ウイルスの発生源って、私たちの高校の理科室だったの!?」
思わず驚く灯。
「さあ、乗り込むわよ!」
「無理よ!? 無理!? 私に死ねと言うんですか!?」
「大丈夫。灯ちゃん。あなたもスーパーパワーを持っているのよ。」
灯の胸元が赤く光る。
「これは!?」
「火のスーパーパワーよ。さあ、灯ちゃん。ファイア・スーパーパワーって叫んで!」
「ファイア・スーパーパワー!」
灯が念じると火が放たれて理科室のウイルスを燃やしつくす。
「やったー! 灯ちゃん! これでロナ・ウイルスも世界からなくなるはずよ!」
灯は新型ロナ・ウイルスを消滅させた。
「でも? これって放火になるんじゃない?」
「え?」
火は理科室から隣の教室に移ろうとしていた。
「逃げるわよ! 灯ちゃん!」
先に逃げ出す天使。
「ええー!? 待ってよ!? 置いていかないで!?」
放火犯は現場から逃げていなくなった。もちろん火は消防車が消した。
邪神リサのお城。
「なに!? ウイルスの発生装置を壊されただと!?」
「も、申し訳ありません!?」
悪魔デビデビは邪神に頭を下げる。
「まあ、いい。既にロナ・ウイルスは全世界で流行している。無くなることはないのだ。ペースが落ちただけで人間が全滅すれば、私の世界征服は完成するのだ。ワッハッハー!」
邪神リサの目的は世界を征服することであった。
(ふう~。殺されずに済んだです。ウイルスのワクチンなんかないもんね。アハッ!)
悪魔は安堵した。
球の家。
「タマちゃん。元気?」
「あ! 灯ちゃん。タマちゃんって呼ぶな!」
灯は球のお見舞いにやって来ていた。
「私もスーパーパワーマンになっちゃった。アハッ!」
「なにそれ!? ダサい!」
「あんたもスーパーパワーマンでしょうが!?」
「そうだっけ?」
とぼける球。
「タマちゃん、もう風邪は大丈夫なの?」
「うん。すっかり元気になってきちゃったって、タマちゃんって呼ぶな!」
球は異常な速さで新型ロナ・ウイルスから治った。
(やはりタマちゃんは地球からエネルギーを集めることができるんだわ。)
天使は球に底知れない力を感じていた。
「タマちゃん。あなたが地球からウイルスを消し去るのよ。」
「ええー!? 私が!? 私はワクチンじゃないわよ?」
「ふざけないで! あなたならできるわ。だってタマちゃんは地球を司るスーパーパワーマンなんだから。」
「そんなのできないよ!?」
「いいの? ウイルスを消さないとおやつが食べれないわよ。」
「やる! 私が地球を守るんだ! 私は地球を救いたい!」
おやつが大好きな球は地球を守る為に生まれてきた。
「アース! スーパーパワー!」
球は超能力を発動させる。
「地球よ! 母なる地球よ! 私の想いに耳を傾けて!」
球は地球に呼びかける。
ピキーン!
地球が光って輝いているように見える。
「私は地球からウイルスを失くしたい!」
球の強い意志が地球を覆って行く。
ピキーン!
地球が球の意思に答える。そして地球上から新型ロナ・ウイルスを地球の自然治癒の力で消滅していく。
「・・・・・・zzz。」
力を使い果たした球はベットに倒れ込む。
「タマちゃん!?」
灯は目の前で倒れた球を心配する。
(すごい! タマちゃんは地球を救っている!)
天使も地球と話せる人間を初めて見て驚愕した。
つづく。
スーパーパワー! 下書き 渋谷かな @yahoogle
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。