第17話お見舞い2
火野家にお邪魔して、火野さんの部屋の前で立ち止まり、扉をノックする。
「火野さん、牧平だけど部屋に入ってもいいかな?」
「まきひ......ら、くん?いっ、ごほっごほごほっ......いい、よぅ」
激しく咳き込む彼女は、か細いながらも返事が帰ってきた。
俺は、部屋に入りベッドで身体を休め寝ていた彼女のもとに駆け寄り、声を掛ける。
「風邪薬は飲んだの、火野さん?」
「う、ううん......食事も摂れてなくて。ごほっごほ、飲めてないです......」
仰向けのまま顔だけを向けて、こたえた。
「それは辛いね。キッチンって借りていいかな?お粥を作るためなんだけど」
「大丈夫です。ごめんなさい、迷惑ばかり......お願いします」
「ありがとう。少し待っててね、水と風邪薬買ってきたから。置いておくね」
手に提げていた袋をベッドの下に置いて、部屋を出て、キッチンに向かう。
俺は、お粥を作り終え、火野さんのもとに戻る。
俺は、彼女の背中を支え、身体を起こして、お粥を食べさしてあげた。
お粥を食べ終えた彼女は、風邪薬を口にして、水で流し込む。
ベッドに身体を沈め、寝ていく。
俺は、彼女の額に濡らしておいたタオルをのせて、寝付いたのを確認してから火野家を後にした。
(終)
清楚な先輩は俺に対して 闇野ゆかい @kouyann
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