第16話 お金稼ぎの時間
2人を家に送り届けた後、俺は風呂に浸かってリフレッシュした。陽菜乃がお湯を沸かしてくれていたので、自分の家に帰って来てからすぐに入ることが出来た。
「ふぃー」
濡れた髪の毛をタオルで拭って、ドライヤーで乾かした。それが終わって、冷蔵庫から飲料水を取り出すと、2階にある自分の部屋へ向かう。
デスクトップのパソコンを起動しながら、椅子に座る。机の上に置いてある時計を確認した。予定のある午後11時までには、もう少しだけ時間が空いていた。
なら、空いた時間に株価の確認でもしておこうかな。マウスを握って、パソコンの画面を操作する。
「えーっと、今日はどんな感じかな?」
俺は、株の取引をしていた。初めて株を売買したのは、去年のことである。最初は金融商品の売買を1日で完結させるというデイトレードから始めた。アルバイトして稼いだお金と、両親から貰ったお小遣いを元手にして株式運用に挑戦してみた。
会社の運営や金融関係に詳しい紗紀子さんにアドバイスしてもらいながら、投資とお金に関する学びを得た。俺は、株式投資にハマった。
学校に行きながら、空いた時間をスマホのアプリで売買を繰り返す日々。それで、利益をかなり得た。運良く、トントン拍子で資産が増えていった。
1ヶ月間ぐらいハマってデイトレードを行っていたが、ちょっと失敗してしまって短期の投資は断念。手間や手数料などのコストを考えると、得るものも少ないことに気が付いた。デイトレードも、徐々に飽きてきた。ということで1ヶ月経ってから、俺は長期の投資に切り替える。
日本の企業業績を色々と調べて、たくさんある銘柄の中から自分でいくつか選んで投資していった。デイトレードで少しだけ稼いで膨らんだ資金を元手にして、結構な数の銘柄を購入。その後、株価の様子を観察したり売買したり。投資の勉強をしたりして、休日や放課後など毎日1時間ぐらいは株式投資のための時間に使っていた。
「うん。今のところ、調子が良さそうかな」
株価をチェックする。全体的に好調のようだった。このまま順調に行けば、利益が出る。分析して良さそうな銘柄に買い注文。危ないような気がする銘柄については、売り注文を出しておく。俺は自分の勘に頼って、選択することが多い。それで上手くやれていた。
投資を始めてから1年ぐらいで、俺は2000万円以上もの利益を出していた。
ただし、これだけの大金を稼げたのは本当に運とタイミングが良かっただけ。俺はそう思っている。この稼ぎ方で今後も生きていく、というつもりは無かった。
投資で稼ごうとするのなら日々の勉強が必要で、運によっても損失が出てしまう。株価の値動きで、精神的にも大変。税金の支払いとかも、すごく大変だった。
これ以上は、投資で失敗せずに稼ぎ続けることが難しそうだと感じていた。いつか飽きてしまうこともあるかもしれない。その時に俺は、あっさりと株式投資を辞めてしまうだろう。無理して続けることが出来ないだろうから。自分の性格を、よく理解しているつもりだった。
もうちょっと安定して飽きることなく、楽にお金を稼げるような方法を見つけたいと思っている。まぁ、しばらくは株式投資を趣味程度に続けていくつもりだったが。
「お。時間か」
約束していた午後11時まで、あと10分たった。俺はヘッドセットを装着して、無料通話アプリを起動した。
「こんばんは」
「お、きたきた。遅いよぉ!」
通話を開始して挨拶すると、ヘッドセットから女の子の音声が聞こえてきた。先に来て、待っていてくれたようだ。
***
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【未完】運良く楽してハーレム生活~何も問題が起こらない、モテモテ過ぎて楽しい人生~ キョウキョウ @kyoukyou
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