After story

「ねぇ、お兄ちゃん。なにを見てるの?」

「ん? ミクはまだ早いからダメだよ」

「あっ、カナデおじちゃんとママがぎゅーして「しーっ!」むぐぐっ⁉︎」


 僕のママとカナデおじさんがやっとくっついてくれたみたい。

 カナデおじさんはいっつもママのことをチラチラ見てたから、ママのことが好きなんだろうなーって思ってた。

 ママは……うーん。


「ママ、カナデちゃんから電話来ると、いっつもニヨニヨしてたの」


 あちゃぁ。

 2人とも、いい大人なのにオクテなんだから……でも仕方がないのかなぁ。


 ママは最初のパパとバイバイしてから、とっても落ち込んでた。

 2人目のパパの時はミクが居てくれたから寂しくないって言ってた。

 でもね、お仕事から帰ってきてトイレでこっそり泣いてたの、僕見てたよ。


 僕、何もできなかった。

 たくさん勉強して、ミクのお世話頑張ってるけど、まだまだ大人には勝てないんだ。

 だからね、カナデおじちゃんがママを守ってくれるってなら、僕もミクも安心なんだよ?


 カナデおじちゃん、ずっと一緒にいてくれたから。


 でもそれも僕が大人になるまで。

 大人になったら、僕がママを守る。

 それまでおじちゃんに貸してあげるだけなんだから。


「さぁ、ミク。まだ時間かかるみたいだからあっちでテレビ観ようか」

「うん! ……いいなぁ、ママ。ぎゅーしてもらって。ミク、おっきくなったらカナデちゃんのお嫁さんになりたい!!」


 ……やっぱり、あの人には僕の家族に近付かせない方がいいかも。

 約束? そんなの破棄ってやつだ。


「ふふふ、もっともっとドラマで勉強しなくちゃだなぁ……」


 楽しみにしていてね、カナデさん?



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Another story ~幼馴染からいきなりプロポーズ!?既に子持ちの私に今さら「君とは結婚できない」とか言ってきてももう遅い~ ぽんぽこ @tanuki_no_hara

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