エピローグ

 (注・・・・・ここから記すことはつまらん。本当につまらん。だが書いておかないと収まりがつかないからな。気に入ったら読んでくれ。じゃなきゃ止めて貰って結構)

しかしその、

『なんて事のない日記と写真』

 が問題だった。

 日記の中身は・・・・彼女はずいぶんマメな性格だったんだろう。

 彼と会って、何を話したか、どこへ行ったかということが、実に細かく書かれてあった。

 そして、どんなことをしたかということまで・・・・俺のような無神経な男だからって、読んでいて思わず辺りを見回したほどだ。

(内容を細かく書いてくれという意見もあるだろうが、故人とはいえプライバシーってやつがあるからそれは出来ない。悪いが諸君らの頭で想像して欲しい)

 このままどこかの出版社に持っていけば、エロ小説として直ぐに出して貰えるんじゃないか?そんな事さえ考えたほどの代物だった。

 写真はと言えば、勿論なんて事のないカップルの写真もあるにはあったが・・・・・中には当然ながらヌードも収められている。

 しかしこっちの方は・・・・まあその年齢の女性にしては綺麗な方だったが、それでも50を過ぎていることに間違いはない。


 俺はそれらを全部確認し、また鍵をかけ、バーボンのボトルからグラスに注ぎ、ストレートで一杯やった。

 え?

”お前の事だから、どうせ全部焼き捨ててしまったんだろう”だって?

 馬鹿を言うなよ。

 これでも前金で60万がところを貰っている身分だぜ。

 俺が仕事に忠実なのはあんたらだって知っているだろう。

 今日中に報告書を仕上げ、明日一緒にこいつを依頼人に渡してしまうつもりだ。

 そして残りの金を受け取る。

 依頼人がどういう反応を示そうと知ったことか。

 これが俺の仕事だからだよ。

                             終わり

*)この物語はフィクションであり、登場人物その他全ては作者の想像の産物であります。

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最期の『あなた』 冷門 風之助  @yamato2673nippon

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