みらい(最終話)
『それで、どうなったんです?』
『どうもしませんが?
そもそもですねぇ、何の意味もないんですよ、だってそうでしょ、空気を吸わないで生きていけますか? 無理でしょう。それと同じなんですよ』
“
「そんな訳ないじゃない!!」
カメラの前で思わず顔をしかめる。
「”あるんですよ。今やにゅるにょむは大気の一部、感じることさえ出来ない。ありふれた存在です“」
専門家が知った風な口を利く。
「”その通りです。貴女だって、もう
「そうよ! 無いわよ! 感覚なんて! でもそれが何なの!?
私はそれでも”キモチワルイ“のよ!!!」
ここ数ヶ月。世界は変わった。
”にゅるにょむ“と言う存在は世界を飲み
例えば酸素や
”にゅるにょむ“が、この世界の全てに入りこんだ世界では、”それ“を認識する必要性が全く無くなったのだ。
人間の体や、その知覚というものは”オゾマシイもの“で、すぐにその世界に適応した。
じゃあ、”にゅるにょむ“はもう消えたのか?
私達にはもう聞こえなくなっただけで、今だってにゅろにゅろと、気色悪い音を立てて、私達の側を
私達には感じられなくなっただけで、今も
それがどうして気にならないのか、それがどうして平気なのか、私には全く理解が出来ない。
みんなオカシイのよ。みんなオカシイのよ。
ああ、でも、どうしたら良いのかしら?
水道で手を洗ったって、その水には”にゅるにょむ“が混ざっている。
その手がキレイに
それをどうすれば良いのか、それにどうやって
みんなオカシイのよ! みんなオカシイのよ!!
ふらついた足取りで、
”
『結局、
『今思えば、雲を
『研究は続けられるんですか?』
『それなんですがぁ、私はもう
人間には一切知覚できなくなった事で、“触れられる
『博士の今後に期待します。
では、次のニュースです』
にゅるにょむ NPC(作家) @npcauthor
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