57.やっぱり愛なんじゃないか
島国への上陸作戦は、
これは図に当たった。
次に考えられるのは、支援艦隊の、アルティカ大陸からの直接侵攻だ。
恐らく第一段階で上陸部隊によるマリネシアの星の確保、第二段階としてルシェルティ
最低限の
そしてこれも、図に当たった。
アルメキアの国民性なのか、考えることが単純で良い。
整備兵達が走り回り、両膝をついたリベルギントの
宮殿を出たマリリが到着する。
相変わらず
「それでは神霊様、お願い致しますわ」
リベルギントの駆動電力をすべて切り、
同調していたすべての
沖合いを進むマリネシア海軍の
食料の補給と休息を終えた個体が、それらと入れ替わりに次々と
マリネシア海軍の兵士達が、
海猫達を直接指揮しているのは、艦橋の上を飛ぶ、マリネシアの星を着けていた個体だった。
猫魔女隊マリネシア分隊、
戦艦一隻、巡洋艦二隻、駆逐艦六隻の、堂々たる陣容だ。
マリネシア皇国を制圧後は
各艦の艦橋に海猫達が取りつく。
どこの海岸からも遠く離れていることに、もしかしたら違和感を覚えた兵士も、いたかも知れない。
生体情報から位置を確認、座標を解析する。
海猫達とメルルの中継だけに出力を制御していたメルデキントに、すべての情報を共有した。
マリリが
「
「あ、ありませんっ!」
マリリが大きく、深く呼吸する。
メルデキントが出力を解放し、静かに、ゆっくりと立ち上がった。
大口径超長距離砲を腰だめに構える。
メルデキントの全長の、二倍に達する砲身だ。
マリリはすでに、ジゼルから手ほどきを受けている。
目を閉じ、呼吸を繰り返しながら、自らの意思で心拍数を早めていく。
自我を強く持ち、心の形を確かめながら、同じく相手も強く想う。
生命の熱を
これが愛と定義されるなら、愛は戦う力になる。
「共犯者、か。なんだ……それも、やっぱり愛なんじゃないか」
マリリが微笑んだ。
開いた目がメルデキントの目となり、すべての海猫の目となり、彼方まで認識を拡大した。
腕がメルデキントの腕となり、空間座標を
後頭部の
引き金をしぼる。引くではなく、しぼる。
わずかな瞬間が過ぎて、アルメキア艦隊中央、戦艦の
水柱に向かって一羽が飛び、位置情報の変化から
アルメキア海軍の兵士には不運だが、徹底的に、
海猫達を一斉に
弾着を確認する、ではない。すべての標的の
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