41.宝探しですよ
帝国主義の
どちらにしても勝ちの見えない
単純な人口ではなく、考える力と責任を持ち、ものを言う権利を勝ち取った、小なりとも
カラヴィナは陸上戦の最前線となり、独立どころの騒ぎではなく、イスハリもフェルネラント帝国陸軍の
新生イスハバート王国が独立国家としての
「
「そうですよ、ジゼル様! 結局、この国の
「こらこら、肉体派。誰もが、あんた達みたいな
ユッティの言葉に、ジゼルとマリリの口の端が下がる。
師弟というか姉妹というか、
「まあ、それも追い追い考えるとして……仕方ありません、今回はここまでに致しましょう」
エトヴァルトが大げさに両腕を広げ、薄い胸を張った。
「私は明日、一度本国に戻らなければなりませんが……せっかく御足労頂いたことですし、皆さんはもう少し滞在してもらって構いませんよ。休暇だと思って、楽しんで下さい」
「殿下の言葉を
「言ったでしょう。お楽しみです、宝探しですよ」
ユッティもユッティだが、エトヴァルトも、しゃあしゃあと
薄い
「ここだけの話ですが、マリネシア皇国には古代から伝わる、南海の秘宝と呼ばれるものがあるそうです。最近の
「
「少し
「そ、それは……おめでたい国も、あったものですね……」
「戦局を左右するというのは、話半分に聞く必要がありますが……まあ、休暇の大義名分にはちょうど良いでしょう。面白い報告を期待していますよ」
ユッティもマリリも、さすがにあきれた顔を見合わせる中、ジゼルだけが
そして自分の荷物から、いそいそと
「この子達を持って来た
「あ、やっぱり持って来てたんだ……しかも、増えてるし」
「小太刀を
「名付けたんだ……」
ユッティが、あきれたような顔をする。どこがおかしいのか、固有名詞を持つ兵器としては、理解が難しい。
いい加減、夕暮れも濃くなってきたところで、にゃ、と鳴いてメルルが部屋に入って来た。
「あれ? そう言えば、あんた今までいなかったわね。どこ行ってたのよ?」
「昼間の一件がありましたので、すでに状況は開始していると考え、
ジゼルが口元を手で隠し、
「
そういう認識はなかったが、この際、深入りはしないでおく。
「エトヴァルト殿下もいらっしゃいますので、私から
宝探しという非日常的な課題に、
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