21.作戦行動の前だ
次に
旧時代の
最後に、その二機の空輸となると、武器弾薬を含めて
フェルネラント帝国軍の装備でそれが可能な機体となると、
「一つ目の問題は、戦術工程を追加することで対処します。ラスマリリ
「承知しました」
「二つ目の問題は、ヤハクィーネ、機関員の総力を挙げて旧首都タトラ
「
「三つ目の問題は、ユッティさんに作戦行動の
「思い切るわねえ。ま、やってみましょ」
「作戦開始は
口調は軽いが、さすがに鋭い。ユッティが舌打ちし、ジゼルが苦笑して、ヤハクィーネがまた
マリリだけが
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言われたそばから、とあきれるべきか、案の定とあきらめるべきか、作戦会議が終わるとジゼルが、嬉々としてマリリを中庭に連れ出した。
「だって、後輩ができて嬉しいんです」
「作戦行動の前だ。
「そんな
マリリに教練用の木刀を手渡し、
ユッティとヤハクィーネは
「あなたのこと、教えて下さい。
若い女同士、木刀をぶら下げて言う
小柄な身体で、まっすぐ
ジゼルは右片手に下げただけだ。一見して
だいぶ本気で遊ぶつもりのようだった。
マリリが発声し、打ちかかる。上段、ジゼルが軽く上げた剣先に
次に中段の横打ち、ジゼルが
左右の斜め上段、速いが軽い。ジゼルの木刀と叩き合う。ほぼ、それらの繰り返しになった。
「基礎教練を受けましたね。真面目で、素直……ですが、身体に合っていないようですね。異質な技術を消化し、
打ち込みを
マリリからすれば、急に岩にぶつかったようなもので、体勢を大きく崩す。
「反則とか、それはなしとか、うるさいこと言いませんよ。楽にして下さい」
ジゼルが下段のまま、左手を
一呼吸置いて、今度はマリリが右片手に木刀を下げ持った。両脚を前後に広げ、身体を地に伏せて、左手をつく。
山猫を思わせる姿だった。
声もなく飛びかかる。低い。ほとんど地面と水平に、剣先が足首を狙って振るわれた。
ジゼルも踏み込み、剣先で
先刻と同様、マリリが大きく体勢を崩したが、そのまま左手一本で逆立ちするように伸び上がる。
半瞬の差で見切る。その足が地に着く前に、同じ軌道を木刀が追って来た。
ジゼルがすり上げ、さばいて、初めて打ち込みを返す。
マリリは強引に身体を
間合いが開く。
ジゼルが
現在でも山野を
砲撃戦を主眼に
とは言え、運動量に無駄の多いマリリが手足を投げ出して動けなくなるまで、長い時間はかからなかった。
ジゼルも
「とても楽しかったですよ。また遊びましょうね」
マリリは声もないが、ジゼルを見上げる目に、素直な
リントが、にゃあ、と鳴いた。人間にしてはなかなかの動きだった、と、
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