20.異存はありませんが
相変わらず、良く言えば気さくな、悪く言えば間の抜けた、
長方形の大きな
一人を除いて全員が適当な椅子に座り、リントが地図の端に寝そべると、扉の横で直立不動のままの少女をエトヴァルトが手招きした。
「最初に紹介しておきましょう。この子はラスマリリ=カラハル、父親は旧イスハバート王国の政務関係者で、現在は僕が面倒を見ています」
「フェルネラント
「いえいえ。彼女の父親から生前に、留学目的で
相当、
それでも黙っていれば
「くわしい話を聞く前に言うのもなんだけど、ぶっちゃけ、その
「先生」
「無論です! この
「まあ、こんな調子でして。いい加減うっとおしいので、この際、メルデキントを押しつけました。戦闘で死んでくれても一向にかまいません」
「一命を
「絶対、意味まで知らないで言ってますよ、これ」
エトヴァルトの
ヤハクィーネがユッティに向けて、重々しく注意の
「りょーかい、りょーかい。それじゃあ、ええと……マリリちゃん! あんたも
「は……はい? いえ、その……はい! よろしくお願い致します!」
「猫魔女隊、ですか。
「今つけたの。今度、
「やぶさかではありません」
侵攻作戦の全容は、戦略的には、ロセリア帝国とシャハナ国の
そして戦術的にも、イスハリ
旧イスハバート王国領はイスハリ山脈の
高山地方独特の過酷な生存環境ながら、地上から最も天に近い場所として、
フェルネラント帝国とは宗教文化的な違いにより、親密と言えるような外交実績はなかった。
だが、現在の状況から考え直してみると、なるほど
旧イスハバート王国は穏やかな宗教文化が悪い方向に作用して、帝国主義が
また、暴力と
以後は占領軍により情報、交通が
その事実が、そのままこちらの戦略的価値になる。
「いやはや、殿下らしいわ。正義の味方としちゃ、まあ、望むところよね」
「正義の味方の侵略者、ですね。異存はありませんが、戦術的には、なかなかの
ジゼルの言う通り、これまで防衛線としていた山野部を西に進み、イスハリ山脈の高山地帯を
山の地理と環境に
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