13.信じてました
ジゼルの状況判断と操縦は的確で、それだけに、繰り広げる光景は
実験兵器なだけに
「今感じているこの感覚が、自分のものなのか、あなたのものなのか……わからなくなってきました。血に
ジゼルの声が、
音も、装甲でくぐもった限定的なものだが、血の
右翼機械化師団と言えば
その全てを撃破し、右翼の敵性部隊は機能を
「中央と左翼の敵性部隊が動きを変えた。整然とはいかないが、同じ左翼側の国境方面へ
フェルネラント側の、それなりの階級にある軍人が
「行けますね」
「無論」
答えた瞬間、銃声が重なった。
銃弾が二発、正確に右手首の親指に着弾し、破壊した。
ジゼルが、
右手は四本指と
先制で、
常人では
長大な銃身と下方に大きく張り出した弾倉、
「再会の約束には、少し早過ぎましたか?」
「いいえ。きっと来て下さると、信じてました」
真正面、一足に間合いを詰めて、突く。
クロイツェルは
リベルギントの踏み足、右膝を台に
身をひねったのがわずかに早く、
大きく間合いが離れる。
右腰の
踏み足にかけるはずの重心を、その前方に放り出す勢いで、蹴り足をさらに蹴る。足の位置関係を変えないまま、すべるように移動する。
「素晴らしい。ですが、まだまだ力と重さに任せて、動きが雑ですね」
すべてをかわし、なお射撃を重ねながら、クロイツェルが笑った。
「若い頃は、私も似たようなものでした。あなたが生まれるより、ずっと前の話です。そこから
「素敵。おじさまと、こんな風に語り合える時が来るなんて」
一瞬の斬撃の
過度な出力を
それでも、まだ動く。
一太刀ごとに速度をひねり出し、全身の連動を
ジゼルは
赤く染まった眼球を見開き、汗に濡れた全身で
自分で言った通り、肉体とリベルギントとの境界も
「
「
土砂をまき上げ、
荒れ狂う鋼鉄の
敵でなければ、いや敵だからこそ、
何度目かの
「ジゼル」
「わかっています。不思議ですね……頭の
ここからの動きは一つしかない。捨て身の体当たりと、それに続ける一撃必倒を
誘導に乗って、技術に
こちらが
後は、生きるか死ぬかだ。
クロイツェルも
銃口がぴたりと静止し、射線が一筋の光となって
お互い、呼吸も止まっていた。
長かったのか、短かったのか。動いた時、リベルギントは静かだった。
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