リアリイティのあるお話でした。
結局、サイトを公開しなかったのは良かったことなのか……? 選挙の投票先を決めるのに、役立ちそうなサイトだなと思いました。もし存在していたら見ていたと思います。
自主企画より参りました。
応援するつもりはあるけれど、表立って支援する勇気もない。
その部分には非常に共感できる部分がありました。それが間違ってるとは限らないけど、その考えは本当に歪んでないか?みたいな。
こういう臆病な考えはある種、人間の根本的な問題だと思うので、本筋に隠れて。むしろ本筋なのかもしれませんが、うまく浮き彫りにされているなと思いました。
これからもお互い頑張りましょう。^_^
作者からの返信
感想ありがとうございます。
日本は政治に対して
「政治の話題を出してはいけない」
「無知ではいけない」
「無関心ではいけない」
というトリプルバインドがあり、その結果「うーむ、けしからん」以外のことが言えない状況だと思っています。
「うーむ、けしからんですな!」
必殺仕事人のコピーが流行る世の中には、とてもいい皮肉になっていますね。中々面白いものを読ませてくれて、ありがとうございます。
政治家たちは、ノブレスオブリージュの中で、どれだけの社会貢献をし、そしてコンプライアンス、もちろん、法に適った政治をしているかは、実際のところ、僕にはよく分からないのですが、なんだか政治家への猜疑心や怨嗟の声ばかり聞こえてくる状況はもっとまずいと考えています。
「ソ連は自由な国だ、これほど国家元首を讃美できる国はない」というブラックジョークがありますが、まあ、元首を盲信するのも何か違いますが、それでも元首の治世を見返して、褒めるところは褒める、非難するところは非難する、と柔軟な態度が欲しいものです。しかし、それを考証する時間がない、んですよね……。
この天誅が誤りであることを如実に示すのは特に、革命後のクロムウェル、ロベスピエールは自由を騙る束縛でしたね……。
作者からの返信
読んで、さらに感想までいただきありがとうございます。
政治家を代議士と呼ぶこともある通り、わたしたちの代表として議論を行う存在が政治家です。
「政治家には何を言ってもいいのだという態度」
「落選した候補者への嘲笑」
「市井の者同士が政治について話題に出して議論すること自体を迷惑がる風潮」
など、有権者側の態度が改まらない限り、まともな議員が増えることはないと思っています。
有権者にお似合いの議員が立ち、有権者にお似合いの政治が行われるのだということですね。
現状だと
①世襲議員
②猛烈な欲望を抱えた者
③使命感に突き動かされた者
ぐらいしか立たないと思い、③の立候補者なら政策の方向性はどうであれ投票する価値はあるのかなと思ってます。
①の中にも使命感を持ち、正しく導こうという方はいらっしゃるのでしょうが、これが見分けるのが大変難しい。
深く考えさせられる話でした。この短編が自己紹介代わりと仰るのも頷けます。
「破産者マップ事件」の報道時、世間が一斉に批判に回ったことに個人的には違和感が拭えなかったんですよね。そもそも全国民への公示が前提の情報、それが実情に即していない。そこで個人が技術の力で現実を建前に追いつかせたら何故か叩かれる。民間のバッシングはまだしも、行政指導まで入るのは法治国家としてヘンだろうと思ったものです。
まあでも、それによって副次的に引き起こされる事態の重大さを思えば、感情論でも何でもいいから目立つものは封じておこうということなのでしょうね。結局この国は法治国家ではなく情治国家なのです――古今東西どこでもそうかもしれませんが。
作者からの返信
読んでいただいてありがとうございます。
「破産者マップ事件」については、「まー、この技術の活用が弱い者イジメにしかなってないからなぁ。これを機に官報で出すことの意義を問い直しても良いのでは?」という感じで見ていました。
わたしは日本は弱者への差別、侮蔑感情が強い国だと認識しており、一種のウィークネスフォビアを発症してるのだと思っています。イジメなどを周囲に伝えることに非常に困難が伴うこともこのためかなと。職場で精神の不調などを伝えるのが難しいことなどもこれですね。
被害や不調を開示することで弱者とみなされ、それによって差別を受け始めるのではないかと、多くの方が疑心暗鬼なのです。
そのウィークネスフォビアに自覚的であったため、破産者マップは異例的に素早く一度対処されたのだと思います。
というわけで最初の対処に関してはわたしはグッジョブだと思っています。法が追いついてない中で、役人が本気出したんだなと。
編集済
いい小説でした。一気読みでした。
そのうえで、言いにくい、言いにくいんですけど、最近私が読んで凄いと思った小説家の。伊藤計劃の、匂いが、して……そうじゃなかったらすいません!
あれより筋は捻ってたと思います。だけど、この主人公のように考えながら、誰かへの攻撃や自由の侵害にはならないだろうと思って『無敵のあなたへ』を作りまくって暴れ狂っている人が、約一年後の今、増幅しているのだろうと思います。
それは、ここだけじゃなく世界中で。
その果てに、人間は人間を滅ぼすか、そうでなくても大きくお互いを傷つけてたくさんの何かを失う結末が待っているのかも知れないな、とわたしはぼんやり思ってます。
だって、私含めてみんな、自分の事しか考えてないんだから。そして、それしか生きる術はないと思い込んでいるんだから。
2020年前後、有名だった事件とか時事の欠片がちりばめられていて、豆知識なんかがちりばめられているところも、上記の小説家を思い出させました。作中登場人物の数人は、モデルが分かる気がします。
いい作品でした。掛け値なく。ありがとうございます。
作者からの返信
読んでいただいてありがとうございました。
伊藤計劃さんの『虐殺器官』はとても面白い小説でしたね。わたしも大好きです。
この話を書く時、『虐殺器官』と『デスノート』も二作品は頭の中にあって参考にはしました。個人的には『無敵のあなたへ』は短く、展開早く書けたところが気に入っています。
こんばんは。お邪魔します。せっかく我が拙作にご批評をいただいたのに、貴作の拝読まで時間がかかり、申し訳ありませんでした。
詳細はレビューという形で述べさせていただきたく存じます。しばしお待ちを。
報復とは正義なのかどうかという問題を私はこの小説から感じましたがどうでしょう?
手法自体は夢オチみたいもので妥協のようにも感じましたが、文の流れやストーリーの構成はとても綺麗でした。その点、私なんかは頭が上がりません。
作者からの返信
主人公は特に何かされたわけではないので報復ではありません。
なので「報復は正義なのかという問題」を読み取ること自体が間違いです。
ラストの手法に関して、ノンフィクション以外のほぼ全ての物語は最後の一文に見えない文字で「この物語は作り話で、あなたの人生には何も関係がありません」と書いてあります。歳を取るとこの一文がどうしても目に付いてしまい、頭の中から消すことができなくなります。
ひどい時など、作品の1行ごとにこの一文が頭に浮かびます。
この一文を消すためだったらわたしは夢オチだろうが自分の心を抉ろうが、なんだってやります。
そんなことは些細なことだからです。
森緒 源です。
拝読しました。
古い昭和人間ゆえSNSには馴染みませんが、興味持って完読しました。
こうした通信機器が一般的に普及し、誰もが自由に発信出来る世の中は、楽しく面白い反面、個人個人がよほどしっかりした倫理観を持って利用しないと、予想もしなかった犯罪や悪意を呼ぶことになりかねませんね。
私は当面、SNSとは無縁の生活で良いやと思っております。
では。
作者からの返信
読んでいただいてありがとうございます。
わたしはカクヨムもSNSだと思っていますが……
それはそうと、SNSとは無縁の生活でいいや、という物言いには少し違和感がありました。
「自分は平成世代なので、昭和世代が人が行った環境破壊と公害に関しては関心がありません。昭和世代が責任をとってくれるのでしょうから」
という文章があった場合、「いやいやいや」って思う感覚に似ています。
私たちは繋がった世界で生きていて、関わっても関わらなくても影響を与え合う世界で生きるしかないのだと思っています。
編集済
はじめまして、和希さま
少し怖くも、本当に考えさせられるお話でした。
もしかしたら今も誰かが『無敵のあなたへ』を作っているのかもしれないし、誰かが『無敵のあなた』になろうとしているのかもしれない。そんなリアリティが感じられました。
追記:素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました!
作者からの返信
筆者の我那覇キヨです。
読んでいただいてありがとうございます。
この作品は「読んだあとなんか考えちゃう」という他の人が考える部分こそが本体で、小説自体は反応を起こすための媒介に過ぎないと思っています。
それはあらゆるアートに言えることなのかも知れませんが。
そんなわけで横に広げていただけるととても嬉しいです。
編集済
はてなインターネット中間選考結果から来ました。面白かったです。
実は私も源かしこさんと同じ感想を持ったのですが、「世の中には一人の人間にデザイナー兼マネージャー兼サーバー構築担当のようなことをやらせる会社……」を読んで「おふぅぅうう」ってなりました。お疲れ様です。ToT
作者からの返信
感想ありがとうございます。
いっぱい働けることがウリの会社というものがこの世にはあるのです!
みなさんお疲れ様です!
編集済
辛口読みあい企画から来ました。
クオリティ高いですね。面白かったです。
夢オチには、救われた気分になりました。
そのあと小説を書くという、メタ構造も完璧です。
夢の中身についてですが……、主人公の職業はウェブデザイナーの会社員ではここまでできないかなという気はします。
もっと有能さを出すのなら、フリーランスのほうがいいかも。そうすれば、サイトの立ち上げ能力、情報収集能力、集客能力をアピールできる。
一介の請け負い万能プログラマーにしたほうが、有能さが出ると思うんですね。
多くの人は、妄想こそすれ実行能力はないんですよ。
それができる能力というのが、大前提になるわけで、デザイナー設定はちょっと弱い気がします。
サイトデザインも気になっていて、その描写もほしいですね。シンプルなのか、天誅らしく真っ黒なのか。
気になったのはそのくらいで、主人公のサイト更新スタイルとか、言い逃れを作る心情とか、よく書けていたと思います。
好きな政治家が主人公を糾弾する場面には、胸がしめつけられました。
私の予想だと、その政治家が天誅されるかと思ってましたが(正義は一方向だけではないので)、外れたのでほっとしてます。
「『生きていたい、生きていていいんだ』と思えるような世の中にしたいんだ。」
主人公も政治家も、根本的な願いは同じなんですよね。
この言葉には心を打たれて考えさせられました。
作者からの返信
感想ありがとうございます。
ふっふっふ、世の中には一人の人間にデザイナー兼マネージャー兼サーバー構築担当のようなことをやらせる会社がありまして……まぁそういったお話は悲しくなるからやめましょう。
メタ構造に救われるという意見は何人かから頂きましたが、筆者としては、災いが現実へ侵食してきた感じにしたつもりなので、主人公を好きになってもらったとはいえ、もう少し怖く終わらないとダメかーと反省するところであります。
楽しく読ませていただきました。
主人公の『自分は良い人じゃないことを自覚して悲観してるけど悪い方向に育つであろう物を育ててる』ところが現実味があって物語として表現されているところがすごいと思いました。 身近にそういう人がいるので作中の主人公の気持ちに共感しやすかったです。
日常的な人格を1話で描き切ったところもそうですが何よりラストの締めが結構好きでした。
作者からの返信
読んでいただいてありがとうございます。楽しく読めたのなら何よりです。
身近にいるなら止めて欲しいです。
「気持ちはわかる。でも間違った生き方してるぞ!」って。
じゃあ何が正しいのかっていうと難しいのですが。
まずは間違ったことをやめる。何かする時にこれが正しいことなのか自問する。判断がつかないままのことがあれば友だちと話す。
そういうことを続けると、間違い続けることはなくなるはずなのです。
小さい希望です。だからこそ横に繋げましょう。どんなに困難に思えても、それ以外に道はないのです。
主人公の彼の心情の移ろいが、見事です!
序盤では、邪悪な意思、卑怯、傲慢、良心の呵責、と自分のやっていることを、ネガティブに捉えている。ここに、正義を行っているのだ! という強い意思はない。仕事のようにクレバーにこなしている。できるからやっているんだ、くらいラフに見えました。
ファンになる政治家(〇本〇郎みたいな?)が現れてからは、サイト運営へのネガティブ表現はなくなる。ここからはちょっと、幕末の志士みたいな気持ちになっているようにうかがえました。
そして、サイトに載せていた政治家の一人が殺される(キムなんとかみたいな?)。
ファンだった政治家とのテレビ番組での討論。この政治家のセリフがいいですね。攻撃、それは不平を壊しより良い世界を作るためだったのに、それが自由を損なうものだったとは。この作の場合は、明確な攻撃ではなく、法に触れない、極めて婉曲的であるところが、リアルで想像をかきたてられました。
政治家のセリフを読んでいて、デスノートを彷彿としました。あちらはファンタジーなので、全く違う作風ですが、訴えの根幹は近いと思います。
最後は全部妄想でした! ってところまで、面白かったです!
作者からの返信
読んでいただいてありがとうございます。
感想もとても嬉しいです。
デスノートみたいな話を書こうと思ったので、やっぱり似てくるところはありますね。
モデルの政治家や犠牲者についてはご明察の通りです。
むしろこの話が山本太○の応援にならないかな?くらいの肩入れがあります。
ラストについては賛否両論の感想がありました。
このガジェットならではなやり方でシメたのですが、裁かれる姿を見たかったので不満という声もあり、ここは難しいなーと。
(まぁでもそういうの読みたければデスノート読めばいいかな、とか思ってるので変えません)
感想ありがとうございました。
楽しんでいただけたなら作者としてこれ以上の喜びはありません。
面白さには色んな種類があるんだなと、再確認させられる内容でした(=^・^=)
こういう終わり方好きです
短編こい企画から来ました
参加ありがとうございます
彼のような人が野党や国会議員にそれなりに入れば政治が変わるのかなと思った
さらにそれを聞き入れ何かしら策を投じる与党の人も入ればいいんだけど
そして最後まで読んで、え?想像だったの!ってなりました
こういう展開好きです