川崎優月の憂鬱1

今日もまたこの日がやってきてしまった。

『特別コーチ練習』


「よっ久し振り川崎」


私の好きな人。新井博樹。

私の初恋の人だ。私が野球に興味を持ったのも私がピッチャーを目指したのも打撃練習を欠かさなかったのも全部この人のせいだ。


彼の野球をやっている姿をみるとあこがれも強いがこう。

胸がどきどきしてくる。


彼の野球をやっているときの印象はズバリサイン無視だ。


サインではバントなのに、どでかい場外弾だ。

そしてダイヤモンドを回ってベンチに戻るときにヘルメット越しに監督に叩かれて笑顔を浮かべる。そんな姿が好きだった。


そんな彼に憧れて同じユニフォームを着て同じグラウンド、マウンドに立って彼の伝家の宝刀高速シンカーで三振を取る。

そして極めつけには三回2アウトでソロホームラン。


これをしたとき私は胸には達成感と同時に彼の隣に、胸に、飛び込みたいという欲求が強くなった。


でも私の気も知らず彼は呑気に指導していた。


そんな彼を尻目に見て私は投げ込む。


私の将来の夢は農家のお嫁さんだ。

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彼女が欲しい俺は部活を辞めた。 @kokaja

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